川崎と鳥栖のリーグ開幕戦ではVAR判定により、川崎のゴールが取り消しに。試合は0-0のスコアレスで終わった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第1節]川崎0-0鳥栖/2月22日/等々力

 今季のリーグ開幕戦として、ホームの等々力陸上競技で鳥栖と対戦した川崎は、19本のシュートを放ちながら0-0のスコアレスドローで、白星発進を果たすことはできなかった。

 もっとも後半開始直後には“幻のゴール”が生まれた。

 48分、田中碧のスルーパスを受けた登里享平が左サイドを突破。折り返しを家長昭博がシュートし、そのこぼれ球をレアンドロ・ダミアンが押し込む。川崎らしい華麗なパスワークからの崩しで、スコアボードにも一時、1-0のスコアが刻まれた。

 しかし木村博之主審はVARの助言を受ける「VARオンリーレビュー」でオフサイドを認め、ノーゴールの判定としたのだ。

 今季から導入されたVARを活用したジャッジ。場内は一時、騒然となったが、当事者のL・ダミアンは試合後、「VARのシーンは(マークを受けていた)エドゥアルド選手に上手く身体ををぶつけながらネットを揺らすことができました。ただVARということでしっかり判断が下されたと思っています」と冷静なコメント。
 鬼木達監督も「選手にも実際に起きるかもしれないという話をしていました。そこで一喜一憂しないようにという話もしていましたので、自分自身もそこのところは切り替えていきました。VARでゲームの流れが変わるというのはすごくもったいないと思っていますので、そこは自分たちに矢印を向けてやっていくしかないと思っています」と、事前に選手たちに指示を送っていたことを明かす。

 だからこそ、MF脇坂泰斗も「ゴールがなしになってしまったチームはメンタル的にどうしても落ちてしまいます。そこは皆で声をかけ合いながら攻撃に転じられたのは良かったと思います」と振り返る。

 そして今後に向けては「どうしてもギリギリのところで駆け引きをしているチームなので、(VARの導入は)メリットもありますし、デメリットもあると思います。ただ、正確な判断をしてもらえるので、そこはしっかりやっていきたいと思います」とポジティブに語った。

 MF田中碧も「(VAR判定の)後の15分くらいは、チームとしてゴールを奪った感覚というか、少し緩くなってしまった印象もありました」と反省しつつ、「個々は切り替えられていたと思いますし、今後はより締めて圧倒していかなくてはいけないと思います」と意気込んだ。
 川崎としては、試合終盤に猛攻を仕掛けながら、ゴールを最後まで奪えなかった点は課題として残るだろう。もっとも今季から新たに4-3-3システムを導入したチームとしては、件のネットを揺らしたシーンで、良い連係を見せられた点は収穫として捉えて良いのかもしれない。

 左サイドでボール回しながら、アンカーの田中が左SBの登里のフリーランを見逃さずにスルーパスを送り、そのクロスに、ウイングの家長、CFのL・ダミアンが反応して、フィニッシュまでつなげた。

 田中は「(ペナルティエリアの)ニアゾーンは誰が取るのか、誰が走るのかは共有できています。そういう形で何回かチャンスは作れているので、今後は精度と質、そして数を増やしていきたいです」と語る。
 
 また登里も「ローテーションではないですが、誰かがランニングしたところを、上手く使うことができています。そういう連動性は出てきているのかなと。出し手も味方の動きを見ながら出せる選手が多いので、しっかり使ってくれる。去年よりも、そういうシーンでのスプリントは増えていると感じます」とチームの変化を口にした。

 今回は残念ながらノーゴールの判定となったが、次は良い連動から、正真正銘の得点を奪ってもらいたい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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