柏レイソルGK滝本晴彦

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[2.22 J1第1節 柏4-2札幌 三協F柏]

 突然のJ1リーグデビューにも冷静だった。「いい準備をしないといいプレーはできないので、練習中からそういったことを意識していた結果が出ただけ。しっかりいい準備をしていたのが良かった」。柏レイソルGK滝本晴彦は試合後、何度も何度も「準備」の大切さをかみしめていた。

 滝本は4-2で迎えた後半36分、GKキム・スンギュの負傷によってピッチに送り出された。昨季までプロ4年間の出場記録はルヴァン杯5試合と、AFCチャンピオンズリーグ1試合。リーグ戦のピッチに立つのは初めてのことだった。しかし、気負いや緊張などといった負の感情とは無縁だったという。

 先発した守護神は前半から痛みを示していたが、指揮官から準備を指示されることもなく、滝本自身も過度な意識はなかったという。ただ「今日に限らず、ベンチに入った時も、普段から生活している時も準備をしていた」。そうした日々のルーティーンが22歳をプレーに集中させ、平常心でのパフォーマンスをもたらしていたようだ。

 日頃から積み上げてきたメンタルコントロールの甲斐もあり、滝本は直前まで続いていた失点の流れを断つことにも成功し、2点リードのまま試合を締め切った。「勝っている状態で自分が出て、負けることは絶対にしたくないと思っていた。自分のプレーは出たのかなと思う」。節目のJ1デビュー戦は及第点の結果に終わった。

 今季の柏はGKキム・スンギュの加入により、GK中村航輔との日韓代表経験者コンビで熱いレギュラー争いが展開されるはずだった。ところが、その2人が次々に負傷。想定外の形で、リーグ開幕節から滝本に出番が訪れた。しかし、その想定外について滝本に問うと「(開幕戦だと)忘れていた」と苦笑い。それほどの意気込みで「準備」に取り組んでいたようだ。

 だからこそ、この1試合によって深い感慨に浸ったり、大きな満足感を得ることもないという。「試合に出られたことで多少の経験にはなるけど、今日出たから次からできるかというとそうではない。特別なものが出たわけじゃない。普段の練習からやっていくのが一番いいと思う」。幸いにもキム・スンギュの負傷は重症ではない様子。それでも滝本は、これまでどおりに「準備」を重ねていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)