平均年収が高く離職者が少ない中堅企業ランキング。トップは大坂を本社に置く日本商業開発。

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中堅企業の中には、給料が多く休みも取れる会社は少なくない (写真:freeangle/PIXTA)

広報解禁の3月1日が間近に迫ってきているが、今年は様相が異なっている。新型コロナウイルスの影響で、就活イベントを中止する動きが相次いでいる。「リクナビ」が3月いっぱいのイベントの中止を決めたほか、個別企業も説明会などの中止をしている。


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3月以降、本格的に就活がスタートするが、企業探しはネットなどで、文字どおり「自分で調べていく」しかなくなってくる。また今後は、会社説明会やエントリーシートの作成に追われ、1日があっという間に過ぎていく。2月中には企業研究を済ませ、エントリーする会社を絞り込んでおきたい。

エントリーする会社を絞り込んでいるのであれば、もう一度確認してほしい。リクルートワークス研究所によると、2020年卒対象の大卒求人倍率は1.83倍であるが、5000人以上の大企業では0.42倍の狭き門だ。1000〜4999人は1.08倍、300〜999人は1.22倍、300人未満では8.62倍と従業員数によって大きな違いがある。

大手企業は狭き門、狙いは好条件の中小・中堅

大手企業ばかり考えている就活生は、志望業界の中堅、中小企業にも目を向けてほしい。今回、『就職四季報2021年版』(優良・中堅企業版)から、従業員数が1000人未満の中堅企業を対象に、平均年収700万円以上、かつ新卒3年後定着率80%超の企業を抽出。「平均年収が高く離職者が少ない中堅企業」として紹介したい。

ランキングにあたり、平均年収が同じ場合は、3年後定着率が高い順にランキングしている。また持株会社は、グループ採用の場合がある。

平均年収1000万円を超すのは、トップの日本商業開発をはじめ、2位九州朝日放送、3位レーザーテック、4位サンケイビル、5位東北放送の5社になる。このうち日本商業開発、九州朝日放送、サンケイビル、東北放送の4社は、昨年に引き続きトップ5を占めている。3位のレーザーテックは、半導体関連装置やレーザー顕微鏡などを開発から製造、販売、サービスまで手がける会社だ。

年収800万円以上の会社は45社で、昨年より18社増加している。業種別で見ると、上位3業種は、商社・卸売業の7社(12位アルコニックス、13位井上特殊鋼、19位遠藤科学、20位三井物産ケミカル、28位日本ライフライン、35位エービーシー商会、42位たけびし)、不動産業6社(1位日本商業開発、4位サンケイビル、6位平和不動産、8位ダイビル、15位日本土地建物、20位京阪神ビルディング)、電機・事務機器業5社(3位レーザーテック、23位サクサホールディングス、29位ニューフレアテクノロジー、34位コンテック、45位HIOKI)と好調な業種がランキングに入っている。

定着率の高い会社の採用数は多くない

新卒3年後定着率が100%の企業は半数弱の79社。業種別では、化学9社(43位日本高純度化学、55位大阪有機化学工業、68位新田ゼラチン、83位三井化学アグロ、131位綜研化学、139位東京インキ、150位積水化成品工業、154位群栄化学工業、154位メック)、商社・卸売業8社(12位アルコニックス、20位三井物産ケミカル、55位兼松KGK、62位ヤマトマテリアル、84位白銅、114位木村洋行、139位若井産業、157位NSステンレス)、不動産8社(1位日本商業開発、4位サンケイビル、6位平和不動産、8位ダイビル、15位日本土地建物、20位京阪神ビルディング、86位大栄不動産、89位東京楽天地)などが多い。

ランキングに掲載した会社の新卒採用数は少なく、2016年の同平均は11.8人だった。採用が1人の会社も4社ある。新卒採用や入社後の教育は、一般的に負担のかかるもので定着率も大手企業に比べて低い。その中で、3年後定着率が高い会社は、働きやすい職場環境を整備するとともに、人材育成を行っているものと推察される。

ランキングに掲載した会社のうち、上場していない会社は73社あり、未上場企業でも定着率の高い会社はある。大手企業ばかりにエントリーするのではなく、中堅企業まで視野を広げ、キラリと光る会社を見つけてほしい。