宇野昌磨【写真:Getty Images】

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ランビエール氏が米メディアのインタビューで明かす

 フィギュアスケートの平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(トヨタ自動車)はオランダのハーグで行われるチャレンジカップに出場する。4連覇を達成した昨年の全日本選手権以来の実戦に臨む宇野を指導するステファン・ランビエール氏が米メディアのインタビューで、新たに4回転ループの精度を高めていると明かしている。

 さらに進化した姿が見られそうだ。米放送局「NBCスポーツ」が宇野のコーチに就任するランビエール氏のインタビューを掲載。新たな4回転ジャンプを組み込む可能性については、こう説明している。

「ええ。デイビッド・ウィルソン(宇野のフリーの振り付け担当)は、フリープログラムの細かい部分を練り直すためにスイスを訪れました。4回転ジャンプを加えることは、ジャンプのタイミングと軌道に加え、ショウマの集中力に変化を及ぼします。そこで今は、プログラムが自然なものになるよう、反復を繰り返している過程にあります」

 スイスを拠点にトレーニングを重ねている宇野。調整については順調に進んでいると認めた上で、世界選手権へ向けたプランの一端を明かしている。

「今はルッツに取り組んでいますが、4回転ではありません。ショウマは正しい方法を体得するためにまだトレーニングをする必要があります。4つのターンを問題なくローテーションすることができますし、左回りのための正しい方法が分かれば4回転ルッツの着地もできるでしょう」

宇野の凄さは「エッジの状態でもスピードを落とすことがない」

 ルッツジャンプにも意欲を見せつつも、実際に取り入れる可能性を示唆しているのは4回転ループだ。

「実際、より綺麗にできるよう、4回転ループにさらに磨きをかけています。ループはエッジジャンプで、現在の一流選手を含め多くのスケーターが4回転ループを達成できていません」と現状に言及したうえで、「ただ多くのスケーターとは対照的に、ショウマは何とかエッジのスピードを手にできています。なので、速く滑ることができており、エッジの状態でもスピードを落とすことがないのです。これはネイサン・チェンでもできていないことです。個人的には、彼の身体的な大きさもまたアドバンテージだと言えるでしょう。バランス感覚をより容易につかめるからです」と完成へ向けて太鼓判を押している。

 宇野は全日本選手権では4回転フリップ、4回転トウループを跳んでいたが、世界選手権では新たな姿が見られる可能性が高そうだ。

 最後に宇野の今後について、ランビエール氏は「ショウマには独特な個性があり、感情を持っているので、熱のこもったスケートに強みがあります。ショートプログラムでも同様です。熱いエネルギーを持っている人物です」と絶賛している。

 世界選手権へ向けた最後の実戦チャレンジカップのショートプログラムは21日(日本時間22日早朝)。ワールドへつながる舞台で、どんな演技が見られるか楽しみだ。(THE ANSWER編集部)