SAPジャパン 常務執行役員インダストリー事業統括 鈴木洋史氏

SAPジャパンは2月19日、2020年ビジネス戦略に関する記者会見を開催した。同社は今年1月に3月31日付で、福田譲氏が代表取締役社長を退任し、2020年4月1日付で、常務執行役員インダストリー事業統括を務める鈴木洋史氏が代表取締役社長に就任することを発表した。会見には、福田氏と鈴木氏が登壇した。

鈴木氏は、2015年にSAPジャパンにバイスプレジデント コンシューマー産業統括本部長として入社。2018年から現職に昇格し、全業種の大企業顧客を統括してきた。

鈴木氏は、代表取締役社長としてのモチベーションについて、「強いリーダーを育てたいと考えている」と語った。

SAPジャパン 代表取締役社長 福田譲氏

福田氏は、鈴木氏が次期代表取締役社長に選ばれた経緯について、次のように説明した。

「通常の後継者を選ぶプロセスに従って、 Success Factorsを使って複数の候補者を挙げ、検討を行った。鈴木氏が代表取締役社長にふさわしいと思う点は、顧客を重視していること、テクノロジーを活用して変革しようとしていること。理想的な形でたすきを渡せると思う」

事業戦略については、鈴木氏が説明を行った。2019年のグローバルの実績は、営業利益が82億1100万ユーロで前年比11%増、総売上が276億3400万ユーロで前年比9%増、クラウドの売上が70億1400万ユーロで前年比35%増といずれも前年比より成長している。

同様に、SAPジャパンも2019年の総売上が11.8億ユーロと前年比15%増と好調であり、福田氏が代表取締役社長に就任してから5年間で1.5倍の成長を達成したという。

鈴木氏は、社長就任の抱負として「顧客のデジタル変革になくてはならない存在となる」「その実践を通じて、日本の未来を現実にする」を挙げた。抱負の実現におけるキーワードは「Customer First」「Co-innovation」「One Team」となる。

「Customer First」の実現に向けては、昨年1月にカスタマーサクセスの専門チームを立ち上げて、既に取り組んでいるという。

鈴木氏は、入社以来、福田氏と二人三脚でビジネスを推進してきたと語っていたが、福田氏も顧客のデジタル変革の支援を戦略の柱に掲げており、これまでの戦略を踏襲していくことになりそうだ。

重点エリアとしては、「ナショナルアジェンダ」「デジタルエコシステム」「日本製インダストリー4.0」「クラウド」「エクスピリエンスマネジメント」が紹介された。

SAPジャパンの重点エリア

SAPジャパンのエコシステム

「ナショナルアジェンダ」には、ドコモとSAPジャパンが出資するランドログの建設業界向けのIoTプラットフォーム「LANDLOG」と連携する「ランドログERP」などが含まれる。ランドログは異業種のコラボレーションによるIoT事業ということで、福田氏も注力していた。

「エクスピリエンスマネジメント」を実現するソリューションが、一昨年に買収したクアルトリクスとなる。クアルトリクスは、顧客や従業員、パートナーなどを分析するためのオンライン調査のプラットフォームを提供する。鈴木氏は「エクスピリエンスマネジメントは新たな市場。今まで、なぜを定量化して分析することができていなかったが、エクスピリエンスマネジメントはこれを可能にする」と語った。