全国の道の駅などで長期に駐車して、何年も車の中で生活している人々を追ったルポである。ほとんどは顔出ししない。独身男性。女性の1人だけ。家族4人。ある年金生活者は月に10万円の年金では毎月赤字が4万でる。家賃が払えないので車で生活しているが、冷蔵庫がないので困る。以前はトラック運転手だったが失業した。

認知症の夫と共にいた女性は4年前から、夫の火の不始末が心配でアパートを出て車上生活になった。夫は昨年死亡。30歳の女性は1歳の子供と2人、ドラブルが起きて家を出た。珍しく名前も顔も出して取材に応じた岡山さんという57歳は、妻が50歳、愛媛県に家もあるが、今が一番楽しいという。気が楽なのだそうだ。以前は看護師をしていたが、年齢が高くなって上手くいかなくなり、人員削減で転々として毎日が嫌だった。車の中が一番だそうだ。

国も自治体も正確な数字は把握していない。NPO法人もあるにはあるが、あまり機能していないようだ。ここ5年で車上生活者のうち、12人の死亡者が出た。先進国の陰で何という哀しい現実だ。広い道の駅の駐車場の隅っこで、小さなボックス型の車が身を縮めるように止まっている風景は、世界第3位の経済大国の称号とは裏腹の冷たい現実である。見ている方は「何故生活保護を受けないのか」と思うが、役所に行って申請しようとすると、「車もっていたらアウト」なのだ。融通が利かないお役所頭はさもありなんだ。(放送2020年2月15日21時〜)

                 

(黄蘭)