【五輪世代の主役は誰だ #2】海外組に劣らぬ技術と気概…主役を狙うJ戦士たち

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 2020シーズンの明治安田生命Jリーグが、いよいよ幕を開ける。優勝争いだけでなく、今夏に開催される東京五輪のメンバー入りを懸けた争いからも目が離せない。そこでスポーツライター3名に五輪世代の注目選手を挙げてもらった。

文=林遼平

 東京オリンピックイヤーとなる2020年。東京五輪世代の選手たちにとっては、本大会のメンバーに入るためのクラブでのラストアピールが始まる。

 現状、チームの中心は海外組が担う可能性が高い。自己表現が強く、能力の高い選手たちは個で状況を打開できる。彼らを中心に据えながらチーム作りは進んでいくだろう。とはいえ、国内組の選手に力がないかといわれれば、答えはNOだ。1月のAFC U−23選手権では無残な敗退を喫することになったが、個々で見れば特徴を発揮していた選手もいる。あの大会でネガティブな印象を与えたのは間違いないが、今季のJリーグで違いを見せることでもう一度メンバー入りに向けてアピールしてほしい。そういった選手が出てくることこそが、チーム全体の底上げにつながっていくはずだ。

田中碧

 プロ2年目にデビュー戦初ゴールの記録を打ち立てた田中碧は、昨季出場機会を増やして24試合に出場。東京五輪世代となるU−22日本代表を経て、年末にはE−1選手権に挑むA代表に選出されるまでに成長した。

 だが、大きな成長を遂げた1年を振り返った時、田中碧はそれでもなお厳しい評価を自分に下していた。

「いろいろな試合を経験させてもらった1年だった。チームメイトや相手選手を含め、様々な選手と対戦することでたくさんのものを吸収できたと思う。ただ、吸収するだけで終わってはいけない。他を圧倒するくらいの選手にならないといけないと思っています」

 現状に満足しない田中碧に期待する思いは強い。それに今季は彼にとって勝負の1年だ。東京五輪に選ばれることももちろんのことだが、チームでの熾烈なポジション争いに勝つことができるか。チームの中心選手となり、さらに得点やアシストを増やすことでリーグ屈指のボランチに成長する姿を期待したい。

田中駿汰

 期待の1人に田中碧を選んだのならば、個人的には田中駿汰も忘れてはいけないとの思いがある。今季、大阪体育大学から北海道コンサドーレ札幌に加入した若き俊英は、東京五輪代表のポジション争いに割ってくる男としても期待されている。

 田中駿の特徴は何といってもエレガントなプレー。ボールさばきが見事で、相手のプレスをふっと交わして縦につけるプレーには華麗さを伴う。本人は攻撃も好きと語っており、前に出て行く姿勢も持ち合わせている。

 今季の札幌での主戦場は、現状の話を聞く限り最終ラインの一角となりそうだが、後ろから前にボールを付けるプレーは田中駿の十八番であることは間違いない。ここでDFとしての価値を高めて札幌でレギュラーをつかめるほどの実力を付ければ、ボランチを含めたポリバレントな能力は間違いなく評価されるはず。自身の能力を発揮して札幌でポジションを奪うことで、東京五輪への道を切り開きたい。

岩崎悠人

 他にも数多くの東京五輪世代の選手たちがいる中で、個人的に特に期待しているのが岩崎悠人だ。昨季は北海道コンサドーレ札幌でなかなか出場機会を得られず、東京五輪代表でも徐々に出番が減っていった岩崎だが、今季は心機一転、期限付き移籍で湘南ベルマーレに移籍。新天地でラストアピールに臨もうとしている。

 私はこの移籍は当たるのではないかと思っている。豊富な運動量や攻守にハードワークできる岩崎のプレースタイルは、間違いなく湘南のサッカーにマッチするはず。加えて、彼の身体能力やパワーを生かすにはうってつけのクラブで、チームに早く馴染むことができれば本来の力を発揮できる可能性がある。

 本人としても、近年なかなかチャンスを得ることができずに悔しい思いを抱いているのは間違いない。J1の舞台、そして湘南というチームで、水を得た魚のごとくピッチで躍動できれば、東京五輪のメンバー入りに近づけるはずだ。