レアンドロのゴールで勝つには勝ったが。パース・グローリー戦は反省点も見える試合だった。写真:サッカーダイジェスト

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[ACL・グループステージ2節]FC東京1−0パース・グローリー/2月18日/東京スタジアム

 レアンドロのファインゴールで勝つには勝った。しかし、FC東京が盤石な試合運びを披露したかと言えばそうではない。森重が「もっと前から(プレスで)ハメたかったけど……。最低限の結果ですね」とコメントしたとおり、反省点もそれなりにあるゲームだった。

 どちらかと言えば印象に残っているのは、パース・グローリーの組織立った守備だ。ゴール前に入ってくるボールを根気よく跳ね返し、エリア内に進入されてもクリーンなタックルで奪い返す。彼らがアウェーで接戦に持ち込めた要因は、間違いなくこのディフェンス力にあった。

 一方でFC東京の守備はどうだったか。GKの林に、最終ラインの4人(右から室屋、渡辺、森重、小川)を加えたブロックは鉄壁に近かった。相手が後ろに重心を置いたこともあり、そこまで対応に苦労していないように見えた。

 問題は前線からのプレスがハマらなかった点にある。レアンドロ、アダイウトン、D・オリヴェイラの3トップは前半から果敢にボールを追ったが、中盤の3人と連動しきれない影響で、上手く奪えずにいたのだ。

 ボールを奪い返す位置が低くなればなるほど速攻を仕掛けられる可能性も低くなり、得点チャンスに結び付かない。この日のFC東京がまさにそうだった。

 スコアレスドローが妥当な試合にもかかわらず、レアンドロの個人技でゴールをこじ開けた。それはそれで素晴らしい。勝負強いとも言えるだろう。ただ、どこか脆さを感じさせたのもまた事実だ。事実、前線からの守備がハマらず、スムーズな攻撃を仕掛けられないシーンがこの日は目に付いた。

 低調な内容だったからこそ、試合中にこう思ってしまった。新機軸の4−3−3が上手く機能しないなら、4−4−2に移行する手はなかったのか、と。スタミナ十分の橋本と安部をセンターに並べ、サイドハーフに紺野とレアンドロあたりを使って、D・オリヴェイラと田川を2トップにするなど、打つ手はあったのではないか、と。
 
 当然ながら、今季から導入しようとキャンプからチャレンジしてきた4−3−3システムは完成の域に至っていない。リーグ戦でもこの日と同じように、苦戦する可能性が大いにあるだろう。その状況下で勝点3を狙うには、次善策が不可欠。その次善策のひとつを「4−4−2へのシフト」とできれば、戦い方の幅は広がるはずである。

 戦い方の幅が広がれば、相手は的を絞りにくくなる。4−3−3か4−4−2か、どっちでくる? そういう揺さぶりをかけられれば、試合を優位に運べる可能性もより膨らむだろう。

 もちろんこれは理想論で、そう簡単に複数のシステムをこなせるわけがない。もっとも、百戦錬磨の長谷川監督のことだ。4−3−3システムがあまり機能しない事態にも備えて、万全の準備をしているはずである。まずは、アウェーの清水戦(2月23日)。注目のリーグ開幕戦で、今季のFC東京がどんなサッカーを披露するのか、期待して見守りたい。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)