【J1開幕直前クラブガイド】2季連続で薄氷の残留…大刷新で蘇るか《湘南ベルマーレ》

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FUJI XEROX SUPER CUP 2020、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)、YBCルヴァンカップとすでに公式戦が開幕。そんな中、J1リーグが最後に開幕を迎える。

超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届け。第3弾として、昨季はJ1参入プレーオフを戦った16位湘南ベルマーレを紹介する。

◆補強動向《C》※最低E〜最高S

【IN】
GK堀田大暉(25)←福島ユナイテッドFC/完全移籍
GK谷晃生(19)←ガンバ大阪/期限付き移籍
GK後藤雅明(25)←ツエーゲン金沢/復帰
DF大岩一貴(30)←ベガルタ仙台/完全移籍
DF馬渡和彰(28)←川崎フロンターレ/期限付き移籍
DF石原広教(20)←アビスパ福岡/復帰
DF畑大雅(17)←市立船橋高校/新加入
DF舘幸希(22)←日本大学/新加入
MF三幸秀稔(26)←レノファ山口FC/完全移籍
MF福田晃斗(27)←サガン鳥栖/完全移籍
MF茨田陽生(28)←大宮アルディージャ/完全移籍
MFレレウ(26)←水戸ホーリーホック/復帰
MFヒューエル・オリベイラ(21)←J.FC宮崎(九州サッカーリーグ)/完全移籍
MF山田直輝(29)←浦和レッズ/期限付き移籍→完全移籍
MF中川寛斗(25)←柏レイソル/期限付き移籍→完全移籍
FW石原直樹(35)←ベガルタ仙台/完全移籍
FWタリク・エルユヌシ(31)←AIKソルナ(スウェーデン)/完全移籍
FW岩崎悠人(21)←コンサドーレ札幌/期限付き移籍
FW若月大和(17)←桐生第一高校/新加入

【OUT】
GK松原修平(27)→ザスパクサツ群馬/完全移籍
GK真田幸太(20)→奈良クラブ(JFL)/期限付き移籍
GK秋元陽太(32)→FC町田ゼルビア/期限付き移籍
GKキム・ミンジュン(20)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍延長
DFフレイレ(30)→V・ファーレン長崎/完全移籍
DF山根視来(26)→川崎フロンターレ/完全移籍
DF杉岡大暉(21)→鹿島アントラーズ/完全移籍
DF福島隼斗(19)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍
DF小野田将人(23)→FC今治/期限付き移籍満了
MF菊地俊介(28)→大宮アルディージャ/完全移籍
MF新井光(20)→ガイナーレ鳥取/期限付き移籍
MF秋野央樹(25)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍→完全移籍
MFヒューエル・オリベイラ(21)→FC大阪(JFL)/期限付き移籍
MF山口和樹(24)→FC琉球/完全移籍
FW野田隆之介(31)→京都サンガF.C./完全移籍
FW山粼凌吾(27)→名古屋グランパス/完全移籍
FW神谷優太(22)→柏レイソル/完全移籍
FW鈴木国友(24)→ギラヴァンツ北九州/期限付き移籍
FW和田響稀(20)→ラインメール青森(JFL)/期限付き移籍延長
FW端戸仁(29)→東京ヴェルディ/期限付き移籍→完全移籍
FWトカチ(19)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍
FW若月大和(17)→シオン(スイス)/期限付き移籍



例年のごとく、多くの選手の入れ替えを行った湘南。昨シーズン途中にチームを率いた浮嶋敏監督の下、一からチームを作り直すこととなった。

得点源だったFW山粼凌吾(→名古屋グランパス)、守備の要のDF山根視来(→川崎フロンターレ)、左ウイングバックを支えたDF杉岡大暉(→鹿島アントラーズ)、長年チームを支えたMF菊地俊介(→大宮アルディージャ)、守護神のGK秋元陽太(→FC町田ゼルビア)と核となる選手が他クラブへ去っていった。

しかしながら、DF大岩一貴(←ベガルタ仙台)、MF三幸秀稔(←レノファ山口FC)、MF茨田陽生(←大宮アルディージャ)、MF福田晃斗(←サガン鳥栖)と各クラブの主力選手を完全移籍で確保。また、ノルウェー代表FWタリク・エルユヌシに加え、2003年から2009年まで所属したFW石原直樹(←ベガルタ仙台)、U-22日本代表FW岩崎悠人(←北海道コンサドーレ札幌)と実力者も獲得し、駒はしっかりと揃っている。

選手の能力としては、申し分ない補強だが、それでも1チーム分以上の入れ替えがあったことは単純に評価しにくい。機能しなければ補強が成功したとは言えず、未知数の部分が多いだけに、「C」評価とした。

◆2年連続薄氷の残留…今季もまずは残留を《残留》
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2018シーズン、最終節で名古屋グランパスとなんとか引き分け残留を掴んだ。その1年後、2019シーズンは最終節で引き分けるも、J1プレーオフへ。最悪の状態で戦った後半戦だったが、チームは徳島ヴォルティスと引き分け、なんとか残留した。

2シーズン連続の残留争い、さらに一昨年よりも悪い成績での残留となると、今シーズンも簡単に事が運ぶシーズンではないだろう。

浮嶋監督の下で再スタートを切るチームだが、やはり厳しい戦いが待っているだろう。YBCルヴァンカップでは大分トリニータを1-0で下したものの、決して内容が良かったとは言えない。まだまだ完成度は低い状態だ。

シーズンの開幕から、浦和レッズ、名古屋グランパス、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸と強力な攻撃陣を誇るチームとの連戦となり、スタートにつまづくようであれば、過去2シーズンと同じ道を辿る可能性はある。

いかに開幕から結果を残していくかが分かれ道。選手個々のポテンシャルは高いだけに、監督の手腕が大きく問われるシーズンとなりそうだ。

◆超WS編集部イチオシ選手
FWタリク・エルユヌシ(31)
©︎J.LEAGUE

イチオシ選手は今シーズンから加入したFWタリク・エルユヌシ。現役のノルウェー代表ウインガーで、60キャップを記録。昨年もユーロ2020予選で7試合に出場していた。

本職は左ウイングだが、センターフォワードとしても→ウイングとしてもプレーが可能。エールディビジやブンデスリーガでもプレー経験があり、チームの核となり得る選手だ。

得点源がチームを去った中、湘南に求められるのはやはりゴール。守備を固めても得点が奪えなければ勝利はなく、タリクの活躍に期待が懸かる。

◆注目の東京五輪世代!
MF齊藤未月(21)
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夏に予定されている東京オリンピック世代の選手としてピックアップするのは、MF齊藤未月だ。

湘南生え抜きの齊藤は、2015年5月から2種登録としてトップチームでプレー。2016年5月にプロ契約を結び、トップチームの一員となった。

ボランチのポジションでプレーしながらも、飛び出しの能力が高く、ボール奪取からゴール前に駆け出すプレーが特徴。2018シーズンはJ1リーグでゴールを記録。2019シーズンも26試合に出場し1ゴールを記録していた。

U-23日本代表としても、AFC U-23選手権ではチームがグループステージで敗退する中、出色の出来を見せていた。東京オリンピックに向けては、競争の激しいボランチのポジションとなるが、湘南でしっかりとしたパフォーマンスを出し結果を残す事が、オリンピック出場への近道となるだろう。