「豚肉のママレード焼き」には、「これ、パンにあうねえ」と母が漏らす

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 60歳を過ぎた私は肥満気味の体重がますます減りにくく、食生活により気を配る必要を感じている。そんな中、栄養バランスに配慮し1週間ごとの食事をまとめ自宅に届けてくれる宅配食を試してみようと思いたった。郊外に住む80代半ばの老母は料理・洗濯などまめにこなすが、母にもたまには楽な食事の選択肢があると知らせたい。

 味はどうなのだろう? 量は? 値段は? と気になりネットで各社品を調べた。

 最も手頃な日清医療食品「食宅便」のフリーダイヤルにかけると「洋食・中華・和食をとりまぜてお届けする『おまかせコース』がお勧めです」という。管理栄養士が監修し、栄養バランスに配慮して届ける同コースは7食で3920円(税込・送料別)。家で用意するのはご飯やみそ汁だけでよいそう。早速、お試しの7食分を実家に届けるよう予約した。

 実家の冷凍庫に7食分入るだろうか、届く荷物が重くて老母に負担がないか、など多少心配になる。しかし、数日後、久しぶりに実家に戻ると「もう冷凍庫に入れてあるわよ!」と母の元気な声にひと安心。

 7食入りで届く段ボールは縦横35センチ×25センチ、高さ17センチ。母も「軽かったわ」と言う。中身はコンビニ弁当ぐらいのサイズを包む冷凍パッケージが7つで、実家の冷凍庫に難なく納まっていた。

 添付のチラシを見ると、1月下旬から3月上旬までの「おまかせコース」はA・Bの2種あり、バラエティーに富んだ食事が日替わりで並ぶ。個々のメニューは選べないが7食ごとに先方で組んで届く。各食カロリー表示があり、いずれも170キロカロリーから380キロカロリー程度におさまっていた。

 届いた7食から、1食目の晩、私は「ビッグ海老フライ」、母は「鱈のもろみ味噌」を選ぶ。電子レンジで約4分温めるだけで出来上がる。

 コンビニ弁当箱と同等サイズの容器に海老フライが2尾と豚肉とキャベツの炒め物、だし巻き卵やバンバンジーが添えるように入る。海老フライはタルタルソースも味わい深く想像以上においしい。母が食した「鱈のもろみ味噌」も、「みそ味、あっさりしてていい。ふだん濃い味付けに慣れ過ぎてたと気づくわ」と感想を漏らす。

 容器は使い捨てだが、主菜、煮物、あえ物など細かく分けられて入る区分枠には淡い瀬戸物風の模様が入る。母は「かわいい。小鉢かと思って取り出しそうになったよ」と話す。

 翌朝、私は朝食に向く「鯵の塩焼き」を味わう。昆布煮や里芋とコンニャクの田楽が付け合わせで小ぶりの鯵も朝食にちょうどよい。母が食したのが「鶏の湯葉包みきのこ添え」。「私の世代は鶏を湯葉で巻くって思いつかない。家でもやってみようかしら」と話していた。

 他の「鰆と野菜の味噌漬」「豚肉のママレード焼き」「里芋と肉団子の豆乳チーズ」も味はあっさりめだが料理の種類が色々で母にも好評。私も味には納得だが、一瞬、量がちょっと物足りないかな…と感じる。だが健康のため腹七分目に抑えなきゃいけないだろうと思い直す。

 あるメニューで、ご飯と共に母が用意したのが里芋と大根の味噌汁。私は宅配食の箸を置いた後、味噌汁に口をつけ、「やっぱこれが一番だよ」と一言。これで家族もカラダも円満だ。(矢吹博志)