弁護士・柳原桑子先生が堅実女子のお悩みに答える連載です。今回の相談者は、堀田真梨香さん(仮名・31歳・IT関連会社勤務)。

「先日、同棲を解消して、一人暮らしを始めました。付き合っていたのは超ダメ男で、ほぼ私のヒモ状態。3年間、さんざん貢いだ挙句別れました。

そこで、憧れの街だった都心に貯金をはたいて引っ越しました。満を持しての再出発です。ところがマンションの上の階の男性(30代くらいの会社員)が、私に興味を持ったようで、変なふうに気配を漂わせてきてキモいんです。

私が帰ってくると、上の階から、“お か え り”と言っているかのように、棒のようなもので床を叩く音や、足音が聞こえるのです。ウチのマンションは築年数が古く、近隣の生活音が響きます。だから、上の階の人が出す音は、生活音と言われればそれまでの微妙な感じです。

それを時と同じくして、エレベーターでばったり会うことも増えましたし、怖いのは玄関のドアに何も書かれていない付せんが張られたり、ウチのポストに、お菓子や現金(封筒に入った数千円から1万円まで数回)が入っていることがあること。いずれも直接ポストに入れられています。ゴミとか使用済みの避妊具などではなく、常識的に考えてもらってうれしいものが入っているのが怖い。

そういうふうに接触してくるのに、私に対しては何も話しかけたりして来ないんです。

管理会社に相談することも考えましたが、アラサー独身女子の妄想だと思われるような内容なので、恥ずかしくて言えません。私はお世辞にも美人とは言えないし……。

この場合、どうすればよろしいでしょうか。解決策を教えてください」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

これは、恥ずかしいと思われても身の安全を守るためにも、他者に相談するべきだと思います。

なぜなら、あなたの帰宅に合わせて足音などの音を出すとか、ポストに現金や食べ物を入れられるといった行為をしているからです。それは、あなたに単なる同じマンションに住んでいる人という関係以上の関心を寄せていることがうかがえる行為です。

そして,あなたご自身が違和感があるという以上、まずは管理会社に対し、その証拠の品を示し、事実を説明してみてはどうでしょうか。

管理会社ではどうにもならないようならば、警察に相談することも考えてみてください。対策のアドバイスを得られるはずです。また今後、あなたが相談をためらう程度を越えて、相手側の行為がエスカレートしないとも限りません。今から管理会社なり、警察なり第三者的機関に相談しておく方がより良いと思います。

生活を監視していることを”匂わせる”のが恐怖だという。



■賢人のまとめ
第三者に相談した、という履歴を残しておくのも大切。身に危険があってからでは遅すぎます。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/