特別な物事や方法はなし。日々の延長で、ストレスや環境の変化に揺らぎにくいタフな心身を手に入れませんか。ヒントは、“普段の食事”を大切にする、インド発祥の伝統医療“アーユルヴェーダ”にありました。(アーユルヴェーダの体質チェックはコチラ)

何を食べるかより、まずは心身を喜ばせよう

今や、私たちの生活になくてはならないコンビニ。ヘルシーな心身を目指すのなら避けるべき?という疑問に「NO!」と答えてくださったのは、アーユルヴェーダ・アドバイザーの三野村なつめさんです。

「コンビニ=全て悪い、と考えなくていいと思います。むしろ、近頃では素材や製法にこだわった商品も増えていますし、誰でも気軽に利用できるのはコンビニのよいところ。

大切なのは、食べているときに『美味しい』『ホッとする』など、心身が喜んでいるかどうか。

食事は、味覚をはじめ、五感をフルに使う豊かな行為。「ランチタイム、あと15分しかない!」と眉間にしわを寄せてオーガニックレストランで食事するぐらいなら、コンビニで選んだものをのんびりといただきましょう」

コンビニで手に入る、健やかな心身に導いてくれるグッドフード

“風(ヴァータ)・火(ピッタ)・水(カパ)”という3つの生命エネルギーのバランスで、一人ひとりの体質が決まるアーユルヴェーダ。それぞれの体質に合わせた生活や食べ物を選ぶのが基本ですが、今回は、私たちが遭遇するシチュエーション別に、どの体質の人にもおすすめの、コンビニで手に入る食材を教えてもらいました。

◇CASE1「緊張して食欲がない……」◇

→甘酒

「アーユルヴェーダでは、甘みは心を鎮めると考えられています。穏やかな甘酒の味は、ソワソワした気持ちや緊張感などを緩める助けになるでしょう。できれば、軽く温められればベター。選ぶ際は、米麹を発酵させたアルコール度数のないものを。日本古来の発酵食品でもある甘酒は、私たち日本人にぴったり。おなかに負担も少なく、エネルギー補給できます」

→鮭のおにぎり

「良質な油分を含む鮭と、おなかに程よくたまる糖質であるごはんのペアは、心をどっしり落ち着かせてくれます。たとえば、緊張感の伴うプレゼンテーションや試験前などに一つ」

◇CASE2「ちょっと、悲しい気持ち」◇

→あんこの和菓子

「よく『失恋したら甘いもの』と言うけれど、アーユルヴェーダとしても共感。甘いものは、気持ちを丸くしてくれるとも考えられています。要はおやつを食べるとよいのですが、小麦・ショートニング・マーガリンは避けるという意味でも、和菓子がおすすめ。落ち着けるスペースで、温かい日本茶と一緒にどうぞ」

◇CASE3「イライラが止まらない!」◇

→バニラ味のアイスクリーム

「カッカした気持ちを鎮めるにも、甘いものがおすすめ。なかでも、身体を冷やすと考えられている牛乳を使ったスイーツで、心身ともにクールダウンしてくれるバニラ味のアイスクリーム。このとき、良質な乳製品を選ぶのがポイントです。食品表記をチェックして、『氷菓子』『ラクトアイス』『アイスミルク』ではなく、『アイスクリーム』と書いてあるものを」

◇CASE4「やる気が出ない」◇

→ホットレモネード
→唐辛子系の味
→おろし蕎麦

「どよ〜んとして、何もしたくないという日もありますよね。そんなときは、酸味や辛味で刺激を入れてみましょう。ホットレモネードは、程よい酸味と甘みがおなかの底から力を与えてくれます。レモン味のさっぱりしたメニューもいいですね。唐辛子系の味は、味覚から刺激を一発。ちょっとしたスナックでもいいですし、スープや麺類に七味や一味などで唐辛子を加える、というのもあり。おろし蕎麦は、大根おろしの辛みが停滞感を撃退! 選べるなら、蕎麦粉を多めに使ったメニューがおすすめです。さらに、七味や一味を振るのもいいですね」

◇CASE5「二日酔い」◇

→100%のぶどうジュース

「紫色のぶどうのものを一本。二日酔い独特のしんどさや肌荒れ、胃の痛みなどにいいですよ。アーユルヴェーダでは、お酒を推奨しているわけではありませんが、無理して禁酒しなくてもOK。呑むなら、身体の冷えがちなヴァータ(風)タイプはシードルや日本酒を。熱がこもりやすいピッタ(水)タイプは、ビールかワインがおすすめです」

→生姜

「コンビニでも手に入るチューブ状のすりおろし生姜は便利。二日酔いのとき、口にしたいと思えるものに、ちょっと絞ってみてください。似たようなもので、和がらしも二日酔いの味方。肉まんやおでんなどを買うともらえるので、食べられそうなら選んでみるとよいでしょう」

生姜はアーユルヴェーダでも代謝を良くすために使われるスパイスです。

落ち着いて、前向きな気持ちで、いただきます!

食事は栄養を摂るだけでなく、大事なリラックスタイム。三野村さん曰く、「何を食べるかの前に、意識したいことがある」とのこと。

「日本には“言霊”という考え方がありますが、アーユルヴェーダでも似たような発想があります。たとえば、『ありがとう』と口にするだけでも、心身はポジティブになるんです。だから、食べる前には、忘れずに『いただきます』と言ってみましょう。私自身、落ち込んでいたり食事にあまり時間がとれないときも、『いただきます』は欠かしません。言うことで、気持ちがちょっと切り替わる感覚もあるんですよね。

また、基本的なことですが、よく噛みましょう。消化の助けになるので身体への負担が和らぎますし、満腹中枢も刺激されて満足感も高まります。

悲しかったり、イライラしたり、しんどかったり。日々さまざまありますが、でも、だからこそ、なるべく落ち着いて、前向きに食ベる。それがきっと、エネルギーになりますよ」


アーユルヴェーダ・アドバイザー 
三野村なつめ

コピーライターとして忙しくする中で感じていた不調を、アーユルヴェーダにより改善。その魅力にひかれ、南インドやスリランカを数度訪れた後、アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド『ARYURIVST』やレシピとスパイスがセットになった『整えごはん』を立ち上げる。2019年11月には、肉料理にやスイーツにも相性抜群のミックススパイス『COOL』と『HOT』(各1,180円)を発売(すべて送料無料)

取材・文/ニイミユカ