提供:週刊実話

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 髙山清司若頭の自宅が銃撃された翌日(2月3日)、六代目山口組は緊急通達を出したという。「他団体と揉め事が起きた場合は迅速に報告し、報復は禁止する」「公共の場での暴力事件は厳禁」「組事務所などへの発砲は厳禁」といった趣旨で、組員らの行動をいさめる内容だった。

 他団体とのトラブルに関する項目は、関東で事件が相次いだことに対する抑止とみられた。

 1月17日に東京都内の直系組織の関係先にダンプカーが突入し、親戚団体である松葉会(伊藤芳将会長=東京)の傘下組員が逮捕された。約1週間後の25日、松葉会本部に火炎瓶が投げ付けられ、報復ともみられる事件が発生。さらに、その間の24日には、群馬県桐生市で弘道会系組員が何者かに射殺されるという衝撃の事件も起きた。この射殺事件に関しては、別の代紋の傘下組織とのトラブルも取り沙汰され、関東に不穏さが漂ったのだ。

 しかし、実行犯不明のまま数日後には「終わったこと」とされ、事件自体に幕が引かれたようだった。ダンプ特攻事件についても、双方の最高幹部が話し合いのテーブルにつき、平和的解決が図られていた。

「他団体との揉め事は地元勢力間で起きる場合が多く、本来ならば“現場”の域を出ない話だ。ただ、小さな火種が大きくなって、今回のような事件に発展する場合もあるから、それを避けるための通達ではないか。六代目山口組は業界の平和共存路線を推し進めているし、事件を起こせば警察当局の取り締まりが厳しくなることは目に見えているからね」(関東の組織関係者)

 また、公共の場での暴力沙汰を禁止するとの通達にも、当局への対策がうかがえるという。
「特定抗争指定の“大義名分”として、当局は一般市民への危険防止を掲げている。駅など人の多い場所で対立組織と衝突でもしようものなら、当事者たちだけの話では済まなくなるだろう。それに六代目山口組は、カタギに迷惑を掛けるなという意味でも周知徹底させたんじゃないか」(同)

 続く3つ目の項目も、組員らの暴走を防ぐためと思われたが、ある他団体幹部は極道業界独特の視点で、こう話した。

「髙山若頭の三重県の自宅が銃撃された直後の通達やで。発生当時は無人やったし、実行犯を“揶揄”する意味にも取れたが、本家ナンバー2の家が攻撃されたんや。去年に弘道会の神戸拠点で組員が銃撃されたあと、山健組系組員2人が本部の至近距離で、弘道会系組員に射殺されとる。あそこの神戸拠点には、髙山若頭の別宅が隣接しとった。せやから三重での件に対して、六代目山口組がどれだけ怒っとるか想像が付くやろ。今回の通達の本意は、極道者なら分かるはずやで」

 髙山若頭の自宅への発砲事件では、山口組の元直系組織である中野会(解散)に所属した谷口勇二元組員が、銃刀法違反の疑いで三重県警に現行犯逮捕された。

 谷口元組員は動機について、「恨みがあった」と供述したというが、私怨の詳細は分かっていない。一部関係者の間では、76歳という高齢で生活に困窮した谷口元組員が、将来を悲観して“走った”との見方もされたが、拳銃を入手していたなど不可解な点は多かった。

「なぜ、あえて髙山若頭の自宅を攻撃対象に選んだのかも疑問やった。端から捕まるつもりでおったんなら、警戒区域内の組事務所には、同じように警察官が張り付いとったんやし、どこでも良かったやろ。六代目山口組かて、谷口元組員が個人的な動機で犯行に及んだとみていれば、今回のような通達は出さんかったのとちゃうか」(関西の組織関係者)

 一方で、山口組の分裂問題は法廷闘争にも影響を与えている。組員の脱退を妨害したなどとして、組織犯罪処罰法違反(組織的監禁)の罪などに問われた新井錠士・二代目章友会会長(大阪北)と、同会・髙橋将道若頭ら3人の公判が2月6日、大阪地裁で開かれた。