1990年代後半から2000年代のバンドシーンを牽引したSNAIL RAMPのフロントマンであり、キックボクシングで日本チャンピオンにまで上り詰めたタケムラ アキラが書きたいことを超ダラダラ綴っていく新連載!

レコーディングスタジオに入るや否や、グレゴリーとの初対面を果たした俺。アシスタントエンジニアが外国人というまさかの展開に面喰らいながらも、挨拶を終えたグレゴリーが卓に向かい、作業を始めているのをボーッと眺めていた。

前号で彼の体がガッシリしているのは書いた。アフリカ系特有と言っていいのだろうか、スラッとしつつも筋肉がしっかりとついた身体にTシャツを羽織っている。下はジーンズ。そのジーンズだが……なんかちょっと違うぞ。膝上あたりからだろうか、派手な刺繍が入っている。目をこらす俺。

龍だよ、おい……。つか、ありゃドラゴンといったほうがいいのか? ウネウネした派手な龍が膝上から腰にかけて“ザ・昇り龍”をしている。あんなジーンズ、一体どこで買ってきたんだ。

「グレゴリー? そういうジーンズ、日本では悪い人たちが履くジーンズなんだよ」とお節介にも教えようとも思ったが、いや、もしかしたらこのグレゴリーこそがこれを履くべき人なのかもしれないと、彼のことを何ひとつ知らない俺は訝(いぶか)しがった。

そんな出会いを経て始まったレコーディングは、とても順調だった。あとから登場した山口州治さんはびっくりするくらい優しい人で、「一流の人はこうなのか」ととても勉強になった。そしてグレゴリー。履いてるジーンズはアレだが、むちゃくちゃ丁寧で低姿勢。仕事もスムーズで、彼の存在を一瞬忘れてしまうくらいミスも躊躇もない。(次ページへ)

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