SB C&S 常務執行役員 ICT事業本部長 草川和哉氏

SB C&Sは2月13日、法人ICT事業の戦略説明会を開催した。同社は、ソフトバンクグループで流通ビジネスを担う。常務執行役員 ICT事業本部長の草川和哉氏は、「2014年に分社化してから、5期連続で増収増益を達成している」と、同社の業績について説明した。

法人ICT事業は、ソフトウェア、ITインフラ、エンドポイントソリューションを核としてさまざまなジャンルのITソリューションの販売を手掛けているが、最終的には、データのマネジメント/ワークロードに注力するという。「データを収集・管理して、AIによる分析につなげていく」と草川氏。

データ分析のパワーは、パートナーの支援にも活用する。草川氏は「パートナーに対し、Value additional Distributerになるため、われわれの技術力と通信を融合して、魅力的なソリューションを作り上げて、提供していく。また、データを分析することで、デジタルマーケティングを展開していく」と語った。

法人ICT事業が注力するソリューションの分野

デジタルマーケティングの施策の1つとして、ビジネス向けソフトウェアとクラウドサービスのレビュー・プラットフォーム「ITreview」が紹介された。「ITreview」は、レビュー投稿のほか、製品情報や価格の紹介、レビューへのコメントバック、満足度調査や所属データの取得などの機能を備えている。現在は、2500を超える製品・サービスに対し、2万700件を超えるレビューが投稿されている。

当然、レビューはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあるが、どちらもメリットがあるという。ポジティブなレビューは、アップセル提案や事例に活用することができる。一方、ネガティブなレビューは、即時に対応することで、サービスの解約防止や顧客満足度の工場につなげることができるうえ、製品の改善にも役立てることが可能だ。

そして、「ITreview」は同社が推進しているリカーリングビジネスにも関係している。リカーリングビジネスとは、製品を販売して終わるなど、一度の取引で完了することなく、継続して取引を行うことで利益を得るビジネスモデルのことをいう。

同社では、Office 365、Microsoft Azure、Autodesk、Dropbox Business、Adobe Creative Cloud、Adobe Document Cloudをリカーリングビジネスの主要製品に据えている。同社のサブスクリプション契約のシート数は、2018年度が300万だったのに対し、2019年度は400万超を見込んでいるという。

草川氏は、「企業がデジタルトランスフォーメーションを推進する上で、クラウドへのシフトがカギとなるが、日本はクラウドの導入が進んでいない。クラウドサービスを販売すると、毎月、見積もり、受注、請求処理などを行うことになり、トランザクションが増え、パートナーの負担が大きい。そこで、われわれはリカーリングビジネスが円滑に行うためのプラットフォームとして、Cloud DXを提供している」と説明した。

「Cloud DX」を利用すると、リカーリングビジネスに必要な受発注、サービス開通、契約情報、課金・請求といった処理を一気通貫で行うことが可能になる。現時点で、100社ほどのパートナーが利用しているそうだ。

「Cloud DX」の概要

現在、「Cloud DX」で扱えるのはSaaSのみだが、今後はハードウェア、セキュリティ、ネットワークも扱えるようにしていくことを計画しているという。2019年度のリカーリングビジネスの売上は全体の36%となる見込みだが、2022年度には50%に引き上げることを目指している。

そのために、同社では、リカーリングビジネスに対する経営層の意識改革、エンジニア育成、新たなインフラ活用といった施策に取り組んでいくという。