昨年末に行なわれた2歳女王決定戦、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)は、4番人気のレシステンシア(牝3歳/父ダイワメジャー)が優勝。ハイペースを逃げ切って、後続に5馬身差をつける圧勝劇を披露した。


阪神JFを制して、2歳女王に輝いたレシステンシア

 一方、戦前に「3強」として謳われたリアアメリア(牝3歳/父ディープインパクト)、ウーマンズハート(牝3歳/父ハーツクライ)、クラヴァシュドール(牝3歳/父ハーツクライ)は、それぞれ大差をつけられて、6着、4着、3着に屈した。

 年が明けて、牡馬混合重賞のGIIIシンザン記念(1月12日/京都・芝1600m)で、サンクテュエール(牝3歳/父ディープインパクト)が勝利。GIII京成杯(1月19日/中山・芝2000m)では、スカイグルーヴ(牝3歳/父エピファネイア)が2着と健闘した。

 また、牝馬限定重賞のGIIIフェアリーS(1月13日/中山・芝1600m)は、スマイルカナ(牝3歳/父ディープインパクト)が軽快な逃げ切り勝ちを収めた。

 そして今週末には、牝馬クラシックとの関連性が深い、GIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)が行なわれる。ここにも、将来性豊かな有力馬がこぞって出走予定。その注目の一戦を前にして、現時点における3歳牝馬の『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今春のクラシックを目指す3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランク付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。


 昨年末の番付からほぼ変動がなかった牡馬とは異なり、牝馬の評価はガラッと一変。前回の番付から、各馬の順位は大きく入れ替わった。

 1位となったのは、阪神JFを制して2歳女王に輝いたレシステンシア。前回5位(5ポイント)から、一気にランクアップした。

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「TF指数(※市丸氏が独自に編み出したデータ指数)がトップで、(個人としては)前回も1位に評価したレシステンシアが、阪神JFを圧勝。2着に5馬身差をつけるレコード勝ちとは驚きましたが、GIIIファンタジーS(1着。11月2日/京都・芝1400m)のパフォーマンスからいって、そのくらいのことは成し遂げてもおかしくないと思っていたので、胸のすく快走でした。

 それよりもびっくりしたのは、この馬が4番人気で、単勝が1120円もついたこと。1600m戦の経験がなく、前走が1400m戦だった馬の成績が芳しくないといったデータ面などから、嫌われてしまったのでしょう。

 また、(大舞台に強いということで)ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒に、人気が偏った面もあるかもしれませんね。タイム的な要素が人気に結びつかないことは、筆者的にはいい傾向ですが。

 今回も当然、レシステンシアが指数1位。GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)までは、スピードで押し切ってくれると信じています。一抹の不安があるとすれば、今後、桜花賞戦線に強力な先行タイプが現れること。トライアルを注意深く見守りたいです」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「ダイワメジャー産駒ですが、胴長+脚長のスラッとしたシルエット。また、つなぎも長く、適度なクッションがあり、同産駒としては異質のタイプと言っていいでしょう。

 総じて、走ることには前向きながら、気負いが目立つイメージが強いのも、同産駒の特徴。しかしレシステンシアは、気持ちは強いが、素直さがある。その点は、大きな強みとなります。

 とにかく、父同様に前々で主導権を奪い、スピード+持続力を生かした体力勝負が得意なタイプ。ファンタジーSと阪神JFの走破時計やラップの推移を踏まえれば、父の代表産駒と言えるメジャーエンブレムより上、と判断してもいいくらい。高速馬場で施行される設定であれば、この馬のスピードについていける馬は見当たりません。

 ただ、スタート後は少し力むところがあり、そこで他馬に絡まれるようなことがあると、安泰とはいかなくなる可能性もあります。それでも、マイルまでなら、舞台を問わずに走れる点は魅力。桜花賞に関しては、最有力候補と言っていいでしょう」

 前回1位のリアアメリアが2位。阪神JFでは、断然人気で6着と惨敗を喫するも、何とかランク上位に踏みとどまった。桜花賞に直行する予定で、本番での巻き返しに期待がかかる。

木南友輔氏(日刊スポーツ記者)
「阪神JFでの敗戦は、長めの距離を意識する競馬をしてきたことが、裏目に出てしまった感じがします。しかしながら、デビュー2戦のパフォーマンスから、その能力は本物と言えるので、反撃は見込めます。そのポイントとなるのは、気性面の成長があるか、操縦性が出てくるか、ではないでしょうか」

土屋真光氏(フリーライター)
「阪神JFは、レシステンシアには120%ハマッた競馬でしたが、まったくハマらなかったのが、リアアメリアだったという印象です。こういったパターンは、むしろ桜花賞で起きやすいもので、それを先に経験できたことは、クラシック本番に向けて、かえってよかったと言えるでしょう。

 デビュー2戦、とくに2戦目のGIIIアルテミスS(10月26日/東京・芝1600m)の内容は圧巻でした。それを思えば、阪神JFの敗戦だけで、終わってほしくありません。

 とはいえ、阪神JFの戦前ほど、抜けた力関係ではなくなったのは確か。桜花賞まで出走しないとなると、新興勢力との力関係も読みづらくなるため、(馬券検討においては)難儀かもしれませんね」

 3位は、前回4位だったクラヴァシュドール。阪神JFで3着、その前のGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月5日/東京・芝1600m)では、GI朝日杯フューチュリティSを快勝したサリオスの2着と、相手、舞台を問わず、安定した結果を残している点が評価された。

吉田氏
「阪神JFでは、(同馬の)気性、操縦性、ライバルを総合的に鑑みて、折り合いを重視して中団で構え、終(しま)いで伸ばす作戦に出た、と見るべきでしょう。

 しかし結果は、超高速馬場でハイラップを刻んだレシステンシアに逃げ切り勝ちを許してしまいました。もちろん、10番枠から外を回される形になったことも、堪えたような気がします。

 好位につける正攻法の競馬をしていれば、おそらくもっと差のない競馬ができたように思いますが、レースぶりを見れば、負けて強しの印象です。桜花賞だけではなく、GIオークス(5月24日/東京・芝2400m)も楽しみ、という観点でいけば、1位(レシステンシア)以上の魅力を感じます」

本誌競馬班
「阪神JFで3着。レシステンシアに完敗し、マルターズディオサ(牝3歳/父キズナ)にも後れを取ったものの、力があることは示したと思います」

 4位は、前回5位タイだったスカイグルーヴ。牡馬相手の京成杯で2着と奮闘し、ポイントを上積みした。

土屋氏
「『牝馬不利』と言われる京成杯で2着。クリスタルブラックの決め手に屈しましたが、正攻法の競馬で勝ち負けを演じたことは評価に値します。

 血統的に見て、母アドマイヤセプターの現役時を考えれば、マイルにも適応できそうですし、もし桜花賞が合わなければ、その血筋から『オークスで』という思いに駆られます。同馬の可能性を見極める意味でも、(厩舎やオーナーサイドなどの事情による)使い分けなどせず、クラシックの王道を歩んでほしいと思います」

市丸氏
「4頭、4位に挙げましたが、このラインで将来性を考えるなら、スカイグルーヴです。1番人気で勝ちにいった京成杯のレースぶりから、『オークスなら』という感じはします」

 5位は、ルナシオン(牝3歳/父ディープインパクト)。木南氏の単独1位評価があって、圏外からランクインした。半兄がGI2勝のスワーヴリチャードという良血で、クイーンCに出走する予定だ。

木南氏
「クイーンCへ向けた調整も順調。同馬を管理する藤沢和雄厩舎のスタッフが『怖いのは除外だけ』と、自信の表情を見せていました。

 同じ厩舎のサンクテュエールがシンザン記念を制覇しましたが、厩舎サイドがルナシオンを評価するトーンは、そのサンクテュエールとも互角に感じられます」 6位以下にも、各選者が評価する馬がたくさん控えており、本番までには、今回ランク入りした面々を脅かす存在がまだまだ出てきそう。これから一段と本格化するトライアル、前哨戦から目が離せない。