アニメーションならではの幻想的な風景や繊細な感情の描写は、実写とは異なる表現で多くの感動を与えてくれます。そこで今回はFilmarks内のレビューで「感動する」というキーワードが多く使われるアニメ映画を10本まとめてご紹介。

君の名は。』(2016)

都会に住む男子高校生・瀧と、田舎に住みながら東京に憧れる女子高生・三葉は、お互いに夢の中で入れ替わるようになる。お互いを知ろうとするうちに、だんだんと惹かれ合っていくが、やがて悲しくて切ない夢の秘密が明かされていく。

現実ではすれ違ってしまう二人のもどかしさや、切なさが美しい風景の描写や演出と共に展開され観ている者の感情を大きく揺さぶる。

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)

スパイダーマンである名門私立校に通う中学生・マイルスは、力をコントロールできず悩んでいた。ある日、時空空間が歪められる事件により、様々な次元で活躍さるスパイダーマン達が集結する。

様々な次元のスパイダーマンが登場し、スパイダーマンを知らない人はもちろん、好きな人は更に胸が熱くなるようなストーリー構成。一人ぼっちの主人公が、自分を理解してくれる仲間に出会い成長していく姿に心を打たれる。

『リメンバー・ミー』(2017)

少年ミゲルは、音楽とギターが大好きだったが、過去の悲しい出来事がきっかけで、彼の一族は「音楽禁止」の厳しい掟があった。ある日ミゲルはこっそり憧れの歌手エルネスト・デラクルスの遺品のギターを演奏したところ、骸骨が暮らす死者の国に迷い込む。そこでミゲルは家族の秘密を知っていく。

ミゲルの冒険と家族の絆と共に、「死」に対する解釈が描かれる。「死」が大切な人を失った悲しみだけで終わらない心温まる作品。ストーリーだけではなく、幻想的な死者の国の世界に目を奪われる。

『天気の子』(2019)

離島から東京に家出してきた少年・帆高は、祈るだけで天気を晴れにできる少女・陽菜と出会う。二人は依頼のあった日を晴れにするというサービスを始めるが、やがて陽菜の晴れ女の秘密と信じがたい真実が明らかになっていく……。

『君の名は。』などの新海誠監督作品。守りたい人を守ろうとする主人公の純粋さと強さに胸が熱くなる。再びRADWIMPSが担当した壮大で心を揺さぶるような音楽と、細かい風景描写が更に感動を盛り上げる。

『この世界の片隅に』(2016)

昭和20年の広島・呉。絵が得意なすずは18歳で呉の町へ嫁ぐことになる。日々じわじわと侵食してくる戦争の脅威の中、工夫を凝らし、周りの人の助けも得ながら日常を築いていく。しかし空襲が何度も遅い、大事なものが失われていく。そして1945年の夏がやってくる……。

通りすがりの人から細かい道具まで、徹底的に時代考証された画は、当時の日常、戦争を身近に感じさせる。しかし舞台が戦時中だからといって悲壮感が溢れている訳ではなく、日常の小さな幸せや愛が描かれ、自分たちの日常さえも愛しくなる作品。

『映画 聲の形』(2016)

ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。自分の想いを伝えられない二人はすれ違い、分かり合えないまま、ある日硝子は転校してしまう。やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。あの日以来、伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れる。再会したふたりは、今まで距離を置いていた同級生たちに会いに行く。止まっていた時間が少しずつ動きだし、二人の世界は変わっていったように見えたが……。

人の残酷な部分がこれでもかと言うほどリアルに描かれ終始感情を揺さぶられる。アニメーションならではの自然の美しい演出が登場人物の繊細な感情の動きと重なり胸を打つ。

『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2013)

子供時代、仲良く遊んでいた6人組“超平和バスターズ”は、メンバーの1人、めんまが事故で死んでしまったことにより、それぞれ心を閉ざし離れていってしまう。ある日、不登校状態だったじんたんの前に、突然めんまの幽霊が現れる。なぜめんまが現れたのか。その理由を知るため、距離を置いていた“超平和バスターズ”は再び集まる。

1人1人が抱える悩みが、誰もが抱える自分の子供時代の悩みと重なり、どこか懐かしい風景と共に思い出させる。6人の友情を取り戻していく様子に胸が締め付けられる。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)

大人たちは昔を懐かしむ「20世紀博」に夢中になっていた。ひろしとみさえも、「20世紀博」から帰らなくなり、しんのすけとひまわりを放置してしまう。20世紀博は21世紀に希望を持てなくなった大人たちを洗脳し、大人だけの楽園を作るためのオトナ帝国計画の一部だったのだ。しんのすけとかすかべ防衛隊の子供たちは、計画を阻止しようと動き出す。

ひろしの大人になっていく回想シーンは、「あの頃は良かった」という誰もが抱える感情に溺れず、現実の大切なものと未来に向き合う決意が描かれ、大人こそ感動できる。

『トイ・ストーリー3』(2010)

17歳になり大学に引っ越すことになったアンディ。アンディの小さい頃からのおもちゃであるウッディ達はもう長い間遊ばれていなかった……。手違いでアンディの家から離れ、保育園に寄付されたおもちゃ達。ウッディは一人脱出に成功するのだが、仲間達に危険が迫っていることをしり、救出へ向かう。ウッディ達を待ち受ける思いもよらぬ運命とは?

大人になったアンディとおもちゃ達との別れが切なくもありつつ、アンディがウッディ達を大切にしていたことがわかるシーンでは熱い感動が押し寄せる。「トイ・ストーリー」シリーズ史上最も泣ける作品との声が多数。

『名探偵コナン 純黒の悪夢』(2016)

ある日水族館に遊びに来ていたコナン達は、記憶喪失状態の女の人と出会う。コナン達は彼女の記憶を取り戻そうと行動を共にするが、彼女は黒ずくめの組織の一員・キュラソーだった。その裏で組織は動いており、やがて大きな事件へと発展していく。

劇場版ならではの派手なアクションシーンにハラハラしつつも、キュラソーと少年探偵団達の絆に心が温まり、涙してしまう。

【文 ・タナカリオ】

※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。