適切なニーズがあるのに金融が届かない。そんな不一致はできるだけ回避したほうが、市中経済の健全な発展のためになる。日立製作所は10日、ベトナムにおけるAIとタブレットを活用した新たな金融サービスの実証実験を開始することを発表した。

実証実験は、経済発展により中間所得者層が拡大しているベトナム国内の消費者金融機関であるVietCredit Finance Company(ベトクレジット)と日立アジアの3社で行われるもので、ベトクレジットの一部店舗にタブレットを活用する自動契約システムの導入、日立のAI「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case(AT/PRC)」を用いたスコアリングでのローン審査までが予定されている。

実証実験の概要(日立製作所資料より)

個人消費意欲が高まるベトナムだが、金融機関の事務作業では紙の書類が一般的で、書類不備による手戻りや待ち時間の増加が多く、個人ローンの取引量の増加には、無理を抑えた着実な融資実行が求められる。タブレット端末の設置場所を拡大することで、より多くの人が金融サービスを受けられる。景気の良い経済の草の根をIT技術で迅速に支えていこうとするものだ。

3社は、実証実験を通じてローンの申し込み受付、契約締結までの時間短縮、顧客の利便性向上のための新たな金融サービス実現のための課題の抽出と効果を検証する。また、将来的には自動契約サービスとAIによるローン審査サービスを組み合わせ、申込み受付から本人確認、審査、契約までをシームレスに電子化するサービスの実現を目指す。

公式サイト
より)'>Lumada(公式サイトより)

ローン審査で活用される「AT/PRC」は日立が展開するLumada(ルマーダ)ソリューションのひとつで、"発生頻度の低い事象を高精度で予測"し、その根拠を示す特徴を持ち、信用調査や株式の不公正取引審査、新規取引顧客の信用調査など企業のリスク管理業務を支援するためのサービスとなる。

ベトクレジットは、2016年に立ち上げられたベトナムのナショナルカードブランドであるNapas(National Payment Services)に逸早く参加するなど、顧客ファーストと経済的課題克服のためのサービス作成をミッションとして掲げている。