新R25では、これまで多くの著名人に取材してきました。

しかし一方で、「まだそこまで知られていない逸材」が、どこかにいるのではないか?という思いも常にあります。

そこで、さまざまなインフルエンサーに、“自分のまわりで、面白いと思う人”を推薦してもらうことに。

今回はどんな「逸メン」が登場するのでしょうか?

出典 撮影=森カズシゲ

推薦してくれるのは、キングコング・西野亮廣さん。お笑い芸人としてだけでなく、オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を運営し、3万人以上の人々を楽しませている“天才”です。

そんな西野さんが推す「逸メン」は…瀬戸祐太さん。

瀬戸 祐太 (@setochan_877) | Twitter
https://twitter.com/setochan_877
本名は「瀬戸口祐太」だが、瀬戸ちゃんと呼ばれるので「口いらなくない?」と西野さんに言われ瀬戸と名乗っているらしい。なんだそれ

西野さんの会社「株式会社NISHINO」の学生インターンだそうです。





瀬戸さんは大人に“あやかる”ことに長けていて、大学生ながら、西野さんがパリ・エッフェル塔で開催した個展の最高責任者を務めたんだとか。

キングコング西野、日本人アーティスト初のエッフェル塔で個展開催(コメントあり)
https://natalie.mu/owarai/news/338706
2019年10月、日本人アーティストとして初となるエッフェル塔での個展を開催した西野さん

「あやかり力」ってよくわかりませんが…本人に会って、その能力を確かめてみることにしました。

〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉

まずは瀬戸さんが「エッフェル塔個展の責任者」に抜擢されるまでを、駆け足でどうぞ

天野:
瀬戸さんはどうやって西野さんと出会ったんでしょうか?

瀬戸さん:
僕は早稲田大学のスポーツ科学部に在学していて、2018年にアメリカに留学したんですけど…英語が全然喋れなくて、まったく友達ができなかったんです。

そのときに、日本にいたときからやっていたダンスを披露したら「お前面白いな!」ってなって。ダンスや音楽などのエンタメには言葉を超える力があると実感しました。それでエンタメの世界に興味を持ったんですね。



天野:
ダンスというエンタメに救われた経験があるんですね。

瀬戸さん:
はい。で、アメリカにも少し慣れてきたころに「日本語の本読みたい」ってなって、日本を出る前に友達にもらった『革命のファンファーレ』(西野さんの著書)を読んだんです。

もらったときは全然興味がなかったんですけど…


コラ!

瀬戸さん:
でも、その本を読んで衝撃を受けたんです。

天野:
どんなところにですか?

瀬戸さん:
覚悟を持って現状を変えようとしているのに、文章の言葉がやさしいところが響きましたね。

「挑戦を続けてきたからこそ言える言葉なんだろうな」「こんな人がつくるエンタメってどんなものなんだろう」って…

日本に帰って西野さんの会社(株式会社NISHINO)がインターンを募集してるって知って、すぐに応募しました。



天野:
そこからどうやって、エッフェル塔での個展の責任者になったんでしょうか?

瀬戸さん:
2019年7月にインターンの最終面接があって、面接後に飲み会があったんです。

そこで西野さんが、「今の時代は情報がかんたんに手に入るから、“正解する方法”は誰でもわかる。失敗することに価値があるんだ」「でも失敗って怖いから、大人が若者に“失敗するようなムチャぶり”をしてあげたほうがいいんだよね!」っていう話をしてて。


西野さんのムチャぶり理論。ちなみにそのときはかなりベロベロだったそうです

瀬戸さん:
そこでなぜか「僕にもムチャぶりしてくれますか?」ってきいたんです。

天野:
勇気ありますね…

瀬戸さん:
そしたら、「パリで個展をやるんだけど、その責任者やる?」って言われて。

天野:
ヤバい。完全に飲み会のノリじゃないですか。

瀬戸さん:
即「やります」って答えました

西野さんは「今まで築いてきた僕の信用とか、数えきれない人の想いを込めてやる展示だから、失敗したら全員の顔に泥を塗ることになるけど、それでもやるか?」と。

天野:
重すぎますね…動く金額もとんでもないだろうし。

瀬戸さん:
それでもやります。覚悟を持って来てるんで」って答えたら、「いいね!(笑)」みたいになって…

インターン合格が決まる前に、“エッフェル塔”が決まってました。


「今思うとバグってるなって思う(笑)」

あやかりの極意 屬任るフリをしない」

天野:
でも、いきなりパリでの個展の運営なんて、何をすればいいかわからなかったんじゃないですか?

瀬戸さん:
もう、全部わからないって感じでした。僕PCも使えなくて、「Google Chrome」っていう言葉も知らないポンコツだったんですよ。

なのに任せられた仕事は、「現地に絵本を送る」「レセプションに呼ぶゲストを決める」「空間デザインの打ち合わせ」「ボランティアスタッフの配置を決める」「スタッフのスケジュールを決める」「パンフレットのデザイン」など…とにかく個展に関わること全部でした。

天野:
どう考えても大学生には荷が重すぎる

どうやってそんな局面をクリアしたんですか?

瀬戸さん:
…西野さんが僕のことを「あやかり力がある」って言ってくれてるのは、多分このときの話が大きいと思うんです。


ほう…?

瀬戸さん:
最初は、わかるフリをして全部自分でやろうとしたんですよ。“仕事できる感”出してれば何とかなるかな?って。

天野:
それ、若手はやりがちですよね…

瀬戸さん:
でもデザインの話とかまったく進まなくなっちゃって。そりゃわかってないから進まないよねっていう話なんですけど。

そのときに「自分のメンツよりも、個展が失敗するのが何よりイヤだな」って思ったんです。



瀬戸さん:
「この人を助けたい」って思ってもらえる振る舞いをしなきゃ大変なことになるな…と思って、“できるフリ”をやめました

現地のコーディネーターの方、吉本の方、デザイナーの方にものすごい数の質問を送り付けて「僕やっぱりわかってないです、全部教えてください」ってお願いしました。

天野:
「わからない」と言うことって勇気がいりますよね。先輩にあんまり質問するのも気が引けるし…

瀬戸さん:
タイミングによってはウザがられてることも多分ありました。でも、それは飲み込んでましたね。

自分が怖くて質問できなかったせいで失敗したら、それこそ西野さんの顔に泥を塗ることになるじゃないですか。



あやかりの極意◆屮▲疋丱ぅ垢靴真佑気持ちいい言動を心がける」

瀬戸さん:
“アドバイスしてくれた人が気持ちいいと感じる言動”も心がけました。

たとえば、いただいたアドバイスには全部乗っかるんです。

天野:
「なんでこうやるんですか?」と聞き返すこともないんですか?

瀬戸さん:
ないです。聞き返さない、否定もしない

アドバイスしてくれる方のほうが、絶対に自分より経験もあるしアイデアもあるわけじゃないですか。しかも意図をもって言ってくれてる。

だから、まず動いてみたほうがいいなって思います。


全国の上司世代の気持ちを代弁します「こんな若者が欲しい!!!」

瀬戸さん:
教えてもらってうまくいったときは、本人にも感謝を伝えたうえで、みんなに「○○さんのおかげでできました」「アドバイスのおかげです」と話すようにしました。

天野:
自分の成果だと言わないってことですか?

瀬戸さん:
そうです。僕、定期的に「note」を書いてるんですけど、テーマは「教えてもらってできるようになったことへの感謝」。

“自分がすごい”っていう内容は書いたことがないです。



瀬戸さん:
たとえば西野さんにアドバイスをもらったら、noteで「西野さんに教わったことをやってみたら、こんな学びがありました」ってシェアする。

すると、まず西野さんに「さすが!」ってポイントが入るんですよ。そしたら西野さんも気持ちよく感じるから「次も瀬戸ちゃんに仕事を頼もう」となって、僕はまた成長するチャンスをもらえる

天野:
そのサイクルを繰り返していると。教えてくれた人を必ず立てるようにしてるんですね。

瀬戸さん:
僕、ポイントみたいに考えてるんです。

アドバイスをもとに行動してみることで、教えてくれた西野さんに100点入る。実際に動いた自分にもその横で30点ぐらい入ってるっていうイメージ。

天野:
「俺が動いたんだから100点ほしい」っていう気持ちはないんですか?

瀬戸さん:
いや、自分の力だけだと5点ぐらいしか取れないのに、あやかってるおかげでプラス25点も取れてる感覚です。

西野さんやまわりの方の信用を借りて、自分の能力以上のことをやらせてもらってるので、「あやかってるって忘れない」ことを意識するようにしてます。

天野:
これはたしかに西野さんが推したくなる気持ちがわかる…

瀬戸さん:
でも、僕が“超いい人”っていうわけでもないですよ。

最後に自分も得をするってわかってやってるんです。そういう関係がお互いにとって一番前向きなんだろうなって思います。

天野:
なるほど…人に「あやかる」ってこういうことなのか…!!


そんな奮闘の果てに実現できた個展のようすがこちら…すげえ…




右下に瀬戸さんの姿が。やり切った顔してるな〜

あやかりの極意「話の例に出しやすい人になる」

天野:
今、西野さんに絡みたい人っていっぱいいるはずじゃないですか。

そんななかで、瀬戸さんが西野さんに“選ばれた”理由って何だと思いますか?

瀬戸さん:
多分、「話の例に出しやすい」ことですね。



天野:
話の例に?

瀬戸さん:
“生徒代表”みたいな感じなんですよ。

「瀬戸ちゃんにこんなアドバイスをしたら、こういう失敗をしたんだよね〜」って話題にしてもらいやすい。

天野:
それはどういうことでしょう? イジりやすいキャラみたいな話ですか?

瀬戸さん:
いやちょっと違って、僕が「できるだけ行動する」ようにしてるから、何かしらが起きるってことです。行動して成功したり失敗したりするから、西野さんが取り上げる題材になりやすいんだと思います。

そう考えると失敗って怖くなくて、逆に失敗したほうが得みたいなところあるんですよね。

天野:
なるほど〜! 大物にあやかれる人は「行動するから話の例に出しやすいヤツ」! 納得です。

ほかにも「話題にしやすいヤツ」の特徴ってありますか?

瀬戸さん:
やっぱり「明るい」「前向き」っていうのは必要ですよね。

失敗して落ち込んでる人を話に出しにくいですし…

「失敗したけどもう次行ってます」「失敗して今こうしてるよ」っていう話までセットでしやすいことが大事なんじゃないですか。


瀬戸さん、いいヤツなだけじゃなくて言語化能力がすごいな…

今日から始められる「あやかり発信術」の例

瀬戸さん:
僕、インターンを始めたころに、西野さんから「うまくプレゼンして、会社からお金を引っ張れるようになるといいよ」って言われてたことがずっと頭に残ってたんです。

天野:

瀬戸さん:
エッフェル塔の個展が成功したあと、「瀬戸ちゃんすごい」って言ってくれる人が増えたんです。

それで、全国を飲み会してまわって、自分のファンをつくりたいって思ったんですね。

天野:
ついに「あやかり」じゃなく自分のファンをつくりに。

瀬戸さん:
ただ、お金があまりなかったので、社長であるヤンさんっていう人に「今僕がファンをつくれば、いずれ集客面で会社にメリットがあるはずです。交通費出してください」って交渉したんです。

ヤンさんは「わかった、交通費と宿泊費全額出すよ」って快諾してくれました。

天野:
理解ある社長だなあ…

瀬戸さん:
その話を西野さんにしたらすごく面白がって、「それ、オンラインサロンのFacebookページで記事にして書いてよ!」って言われたんです。


会員が3万6000人いるサロンで記事を…

瀬戸さん:
このとき、僕が書けることは3つあるじゃないですか。

(1)以前、西野さんにアドバイスをもらった
(2)僕がヤンさんに交渉して、お金を引き出した
(3)ヤンさんがOKしてくれた

天野:
あっ、これは「あやかり」だ…!

瀬戸さん:
そうなんですよ(笑)。僕は(2)はほとんど書かないです。まず(1)を書いて、(3)を書く。

西野さんや会社にポイントが入るんですけど、「そんな交渉をした瀬戸ちゃんもすごいね」っていうコメントもあって、結局僕にもポイントが入ってきました。

これがあやかるってことかなと思います。

天野:
完全に理解しました。「今日からTwitterやブログの書き方を変えよう」と思う人も多いと思います!

瀬戸さんはあやかるだけじゃなく「若いうちに自分で手柄を立てたい」とは思わないの?



天野:
今、「若いうちに手柄を立てて名をあげよう」っていう風潮があるじゃないですか。ネットで有名になろうとか。

瀬戸さんはそういう気持ちはないんでしょうか?

瀬戸さん:
うーん、僕は“その路線”じゃないなって思ってます。

何もない若者が「○○をやりました!」ってネットで言っても、みんな正直興味ないと思うんですよね。それだけでは、結局自分を見てもらえない気がします。



瀬戸さん:
結局自分のなかに芯がないと無意味だと思っていて。

僕が最終的に魅力的な人になることが、アドバイスをくださった方や西野さんへの恩返しになると思うので…そういった意味で毎日が勝負ですし、いずれは自分単体でも大きなことが成し遂げられるような人になりたいと思ってます。

天野:
ポジティブさと冷静さを兼ね備えた恐るべき21歳だ…

今日はありがとうございました!



今後の活動は「アメリカで××××の実現に向けて動いてます」とのことでしたが、ちょっとまだ情報公開できないらしく、続報を楽しみにお待ちください!

「キングコング西野さんにあやかって、大学生ながら個展の責任者を務めた男」と聞いて、いったいどんな人…?と思っていましたが、驚くほど謙虚で実直な好青年に出会えました。

「まわりにポイントを入れるような情報発信を心がける」「話題に挙がりやすい人になる」。瀬戸さんの教えてくれた“極意”はとてもシンプルで、どんな職場でも使えそうなもの。

あなたも今日から、「あやかり」を始めてみませんか?

〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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西野さんのアイデアやプロジェクトに関わることができるのはもちろん、今回取材場所となった会議室「ZIP」の利用をはじめ、サロンメンバーだけの特典も盛りだくさんの「西野亮廣エンタメ研究所」。

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