武志(伊藤健太郎)が美術大学で学ぶため京都へ出て行って数日後、喜美子(戸田恵梨香)の母・マツ(富田靖子)はこう呟いた。「幸せな死に方は、こうやっておしゃべりしているうちにゆらっとな」

そう言いながら、服を編んでいた。「これな、天国のお父ちゃんに会いに行くときに着るねん」。服を完成したその日、マツは天国へと旅立たった。

大学を卒業した武志が帰ってきた

母親が亡くなり、喜美子の一人で暮らしになって3年半が経った昭和58年2月、別居していた夫・八郎(松下洸平)から電話がかかってきた。そして、幼馴染みの熊谷照子(大島優子)に連れられて、家にまでやって来た。喜美子は10年ぶりの再会だった。

八郎はマツの位牌に手を合わす。照子は化粧っ気のない喜美子におせっかいを焼き、二人に気を遣って出ていった。二人きりになった喜美子と八郎は、ぎこちなく、武志のことを話し始めた。

喜美子「陶芸家を目指す言うてます」

武志は大学卒業後、窯業研究所で1年間修業することになっていた。

喜美子「ありがとう。ずっとお金を送ってくれて。もうかまんよ」

八郎は離婚したのちも、ずっと武志の養育費を送金していた。「こっちこそ、武志をここまでしっかり育ててくれて、ありがとう」。穴窯とカワハラ工房を少し見て、名古屋に帰っていった。

そして春、大学を卒業した武志が信楽に戻ってくる。(NHK総合日あさ8時)