PK戦負の連鎖…

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[2.8 富士ゼロックススーパー杯 横浜FM3-3(PK2-3)神戸 埼玉]

 まさに語り継がれるであろうPK戦になった。先攻の横浜F・マリノス、後攻のヴィッセル神戸ともに2人目までを成功させたが、そこから互いに負の連鎖にはまってしまう。

 横浜FMの3人目で蹴ったFWエジガル・ジュニオのシュートから、7人目で蹴ったFW遠藤渓太まで、9人が連続して失敗。GKによるセーブは3人のみで、6人は枠、もしくは枠外に大きく外してしまった。

 神戸は決めれば勝ちという状況を3度迎えた。しかし5人目のDF大崎玲央は大きく枠上左に外す。さらに6人目で蹴ったDFトーマス・フェルマーレンも力が入ったのか、今度は枠左上に大きく外した。

「ただただ下手で外しただけ」と自嘲した大崎だが、「誰も緊張はしていなかったと思うけど、4本目、5本目となってきたら、“その雰囲気”はあったと思います」と不穏な空気が流れていたことを認める。

 一方の横浜FMの選手たちにとっては、元同僚のGK飯倉大樹の存在が少なからず影響していたようだ。“連続5人目”で失敗したDF松原健は「外してから言うのもなんですけど、めちゃめちゃ決める自信があった」と振り返る。

 ただシュートは無情にも大きく枠上に外れていく。「絶対決められるという強い気持ちがあったからこそ、ちょっと力が入っちゃったのかな。芝が長くてボールが浮いている状況だったのかなという気がしなくもない」と首を傾げた。

 昨夏まで同僚だった両GKは、伝説的な状況を楽しんでいた様子。PK戦前には「凄い試合になったね」「お互い頑張ろうね」と健闘を誓い合ったという2人。結果について飯倉は「どこまで外すんだと思っていた」と苦笑いを浮かべる。

 一方の敗者となったGK朴一圭は「初めての経験。でもシンプルに勝ちたかった」と唇を噛む。「最初は逆を取られていたので、少し見るようにしたらしっかりと反応出来た。でも勝ちに繋がらなかったのでまだまだかなと思います」と無念さをにじませた。

 

(取材・文 児玉幸洋)