2019年の7月9日に87歳でお亡くなりになったジャニー喜多川さんと、私は日本テレビのプロデューサーとしてレギュラー・特別番組など、いろいろな形でお付き合いをさせていただきました。

ジャニーさんとの思い出は数多いですが、印象に残るのは"エレベーター事件"です。私がある人と打ち合わせをしているときに、ジャニーさんから「渡辺さん、実は大変な目にあいましたよ。自宅のエレベーターに2日間も閉じ込められていたんですよ」という電話が入りました。驚いて「大丈夫だったんですか」と聞いたら、「大丈夫ですよ。普段からトレーニングしていますから」とおっしゃるのです。

私の記憶によれば、ジャニーさんが、セキュリティーシステムがつながっていない、引き渡し前の新しい自社ビルに好奇心から入ってしまい、そのような状況になったそうです。詳しい話を聞けずじまいでしたが、常に新しいことを求めるジャニーさんらしいユーモアにあふれたエピソードです。

ジャニーさんから、私の携帯に電話がかかってくることは、よくありました。珍しい体験だったので、他の親しい人たちにも話されたでしょうが、本当にご無事で良かったと思いました。

ジャニーさんとの食事中に、主演2人のキャスティングを依頼

ジャニーさんとの思い出で、次に印象に残るのは「野ブタ。をプロデュース」(2005年10月期の連続ドラマ)のことです。原作では転校してきた高校生の男の子を、同級生の他の男の子が人気者にプロデュースしていくストーリーです。

それを、日本テレビのドラマプロデューサーの櫨山裕子が、転校生を女性に変えて、プロデュースする男子生徒を2人組にしたらどうかという提案をしてきました。私は当時、ドラマの企画を決める立場にあり、その提案が素晴らしいと賛成しました。

ジャニーさんと食事をしているときに、山下智久(当時NEWS)と亀梨和也(KAT-TUN)で近々舞台(私の記憶では)をやる予定だとおっしゃったのを耳にして、「これだ!」と、その場でキャスティングの申し込みをしたのです。

ジャニーさんは了解してくださって、スタッフ・出演者の努力によりヒットドラマになりました。2人によるエンディング・テーマ「青春アミーゴ」もミリオンセラーになり、喜んだジャニーさんから私に「良かったですね」という電話がかかってきました。

ジャニーさん、本当にありがとうございました。改めて、ジャニー喜多川さんのご冥福を心から御祈り申し上げます。