GIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)が2月9日に行なわれる。3歳クラシックへの登竜門と言われるレースだけあって、過去にはサトノダイヤモンドをはじめ、ここで結果を残した馬が数多くクラシックで活躍している。

 ゆえに例年、期待の素質馬が集結。その分、馬券においては比較的固い決着が多い。昨年こそ、3連単で14万円を超える高配当が出たものの、過去10年で3連単が3万円を超えるような好配当をつけたのは、昨年を含めてわずか2回。逆に、5000円以下の低配当にとどまったことが4回もある。

 はたして、今年のレースはどうか。穴党の出番はあるだろうか。

「少頭数になりましたが、波乱の要素は十分にあると思います」と言うのは、日刊スポーツの太田尚樹記者。その根拠については、次のように語る。

「今の京都の芝(馬場)は荒れていて、かなり時計がかかっており、得手不得手がはっきりと出ています。人気馬が思わぬ大敗を喫することも多く、実際に今年の京都・芝で行なわれた重賞は、1番人気が17着、7着、7着、18着と、すべて惨敗しています。これまでの実績にとらわれず、今の馬場への適性を見極めることが重要になりそうです」

 現在の京都の馬場状態については、スポーツニッポンの小田哲也記者も指摘。それによって、影響を受けそうな馬について、こんな見解を示す。

「先週のGIIIシルクロードS(京都・芝1200m)も、良馬場ながら1分9秒台の遅い決着で、時計勝負ではなく、”パワー型”向きの決着でした。とすると、きさらぎ賞も1分49秒台の決着になる可能性が十分にあり、そうした舞台だと、ディープインパクト産駒的なキレが生きないかもしれません」

 また、今回は重賞2着でオープン格付けの馬が2頭いるものの、出走予定の8頭すべてが1勝馬。それぞれ対戦経験がなく、比較が難しいため、意外な馬が台頭することも大いに考えられる。

 そうした状況にあって、太田記者が推奨するのは、コルテジア(牡3歳)。今回が6戦目と、出走予定馬の中でレース経験が最も豊富な馬だ。


きさらぎ賞での一発が期待されるコルテジア

「前走のGIIIシンザン記念(1月12日/京都・芝1600m)では、前残りの展開の中で、中団から追い上げて3着。今の特殊な馬場で結果を出しているのは、強みです。そうして、同馬を管理する鈴木孝志調教師は、『折り合いもついたし、あの位置で競馬ができたのは収穫。今の馬場も合う』とし、レース後すぐに、きさらぎ賞への参戦を決めました。

 シンザン記念は、およそ2カ月ぶりの競馬。それであの競馬なら、間隔を詰めて使える今回は、状態面での上積みも見込め、前走以上の大駆けが期待できます」

 コルテジアについては、小田記者も注目しているという。

「今の京都を経験している点に加え、血統面でも距離が延びるのは大歓迎。2走前のGIIデイリー杯2歳S(8着。2019年11月9日/京都・芝1600m)は、見た目以上に厳しいペースでした。それと比べれば、今回はかなり楽なペースになりそうなのもプラスです」

 その小田記者には「穴の一番手」として、コルテジア以上に注視している馬がいる。GI朝日杯フューチュリティS(2019年12月15日/阪神・芝1600m)で3着に入ったグランレイ(牡3歳)だ。

「前走の朝日杯FS3着もさることながら、『ケタ違い』と感じたのは、2走前の未勝利戦(2019年10月27日/京都・芝1400m)。とにかくバネが素晴らしく、後続に4馬身差をつけての圧勝劇を披露しました。新馬戦(3着。2019年10月5日/京都・芝1800m)も、外に逃げていくようなところがなければ、普通に勝っていたのではないでしょうか。

 こういうタイプは、それなりのペースで運ぶレースのほうが集中しやすく、再び重賞が舞台となるのも好材料。そんな難しい気性面も含めて、いかにもルーラーシップ産駒らしく、長くいい脚を使えるのも魅力です。加えて、父ルーラーシップは、今の京都のような馬場は歓迎のクチでした。その血は引き継がれているでしょうし、同馬はまだまだ伸びる余地があります。折り合えば、不発はないと思います」

 小田記者はさらにもう1頭、推奨馬の名を挙げる。「ディープ産駒的なキレが生きない舞台」と言いつつ、ディープインパクト産駒のストーンリッジ(牡3歳)に一発の期待を寄せる。

「ストーンリッジの兄姉を見ると、重賞戦線で活躍してきた馬の名がズラリと並んでいます。いわゆる『クズの出ない血統』で、しかも3歳から活躍できる血筋でもあります。

 そのうえで、全兄ボレアスはディープ産駒としては珍しく、ダートの重賞を勝っています。他の兄姉も、いずれも典型的なディープ産駒ではなく、むしろ”パワー型”で、時計がかかったほうがいいタイプでした。ストーンリッジも同様で、軽さがない分、翌週のGIII共同通信杯(2月16日/東京・芝1800m)に向かうより、今の京都でこそ、力を発揮できるのではないでしょうか」 今年のきさらぎ賞は、過去の傾向どおり堅い決着で収まるのか。はたまた、昨年に続いて波乱が起こるのか。無論、今の京都の馬場を鑑みれば、期待するのは”荒れた”決着である。その立役者となる馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。