喜美子(戸田恵梨香)は、息子の武志(伊藤健太郎)の「陶芸家になりたい」という気持ちを感じていた。高校に入ってから陶芸に興味を持ち始めた武志は、喜美子が教えたことをすぐに吸収し、どんどん上達していった。

喜美子「陶芸、やっていきたい思てんの?」

武志「お母ちゃんは大学に行って欲しいんやろ」

喜美子「自分の人生や。自分で決めえ」

武志「お母ちゃんは、やりたいことをやって成功した代わりに、大事なものを失った。そこまでして陶芸やっていけるかわからん」

武志の言葉に、喜美子は返す言葉が見つからない。夫の八郎(松下洸平)とはすでに離婚していたが、武志にとって、そのことはずっと胸のしこりとなっていたのだ。

別れた後の7年前、成功した穴窯の作品を見に来た八郎は、夫婦ノートに「すごいな」と書き残し、京都に去って行った。いまは愛媛に移ったそうだ。

離婚してからも手紙は来ていた

進路に迷う武志は、学校から帰宅すると自分の部屋に戻り、箱を取り出した。中には父親の八郎から届いた手紙がぎっしり入っている。この5年間、喜美子には内緒で交流を続けていたのだ。手紙は、喜美子の古くからの友達の大野信作(林遣都)がこっそり届けていた。

武志の仲の良い同級生たちは、父親と相談して志望校を決めたという。自分も進路について、八郎に相談したくてたまらなかった。武志は思い切って受話器を上げ、番号を回した。八郎の声を聞くのは5年ぶりになる。

(NHK総合あさ8時)