楽天モバイル初のオリジナルスマホ「Rakuten mini」を開封レビュー!

既報通り、楽天モバイルが1月23日に都内にて記者発表会を開催し、移動体通信事業者(MNO)向け初のオリジナルスマートフォン(スマホ)となるeSIMのみに対応した小型・軽量モデル「Rakuten Mini」を同日より発売すると発表しました。

Rakuten miniは同社がMNOとして提供している携帯電話サービスにおいて試験的に実施されている「無料サポータープログラム」の2次募集に合わせて提供が開始され、価格(金額はすべて税込)は一括払いで21,800円、分割払いで初回462円+454円/月×47回。

販売は同日にオープンした「楽天モバイル 恵比寿店」をはじめ、渋谷公園通り店および池袋東口店、名古屋栄店、心斎橋店、神戸三宮店の6つの実店舗のみとなり、他実店舗やオンラインショップでの販売は行われていません。

今回、筆者も発表会にて評価貸出用として実機を貸与頂きましたので、梱包内容や本体を写真とともにご紹介します。


楽天モバイルの“噂”の小型スマホを開封!


■シンプルで無駄のないパッケージング
まずは梱包内容です。Rakuten Miniの外箱は「Rakuten Mini」の文字が書かれているだけの、非常にシンプルなデザインです。

梱包内容も昨今のスマホのパッケージングをさらに突き詰めたようなシンプルさ。本体の他にはACアダプターとUSBケーブル、そしてUSB接続のイヤホンアダプターが入っています。


梱包状態。すでにアクティベートされたものを貸与頂いたが、購入した場合も店頭でアクティベートされて渡されるという



本体がとても小さいため、ACアダプターなどが大きく見える



USB規格はUSB Type-C



取扱説明書らしきものは見開き両面4ページだけ。しかも保証内容と注意書きのみ。物理的なSIMカードがないためにSIMカードの交換手順もない


本機のサイズは約106.2mm(高さ)×約53.4mm(幅)×約8.6mm(厚さ)となっており、クレジットカードよりも若干縦に長い程度の大きさであることが最大の特徴です。

その小ささは片手にすっぽりと隠れてしまうほどで、わずか79gという軽さも相まって、スーツの内ポケットなどに入れていると入れたことを忘れてしまい「ちゃんとしまっただろうか」と不安になるほどです。

本機はプラスチックのSIMカードを使用せず、ソフトウェア的にSIM情報を書き込んで使用する「eSIM」仕様となっています。そのため、物理的にSIMカードスロットなどを用意する必要がなかったことも小型化に貢献しているものと思われます。


一見するとオモチャのように見えてしまうほど小さい



クレジットカードとのサイズ比較



横幅はクレジットカードとほぼ同じ。高さが若干ある



本体サイズ比較。左から、ASUSTeK Computer製「ZenFone MAX (M2) ZB633KL」、本機、Apple製「iPhone 11 Pro」


■とにかく小さい!そして思った以上に使いやすい!
昨今の大型化しているスマホの中では、Apple製「iPhone 11 Pro」は小さめな機種ですが、それを圧倒する小ささには純粋に感動を覚えます。

同様に最近の小型な機種としては、中国・Unihertz製のSIMフリースマホ「Jelly Pro」や「Atom」などがあります。特にJelly Proは4G(LTE)に対応した世界最小クラスのスマホとして発売されましたが、Rakuten MiniはJelly Proよりも若干大きい代わりに操作性の良さや電池の持ちの良さがメリットで、さらにおサイフケータイ(FeliCa)対応スマホとしては世界最小です。

本機の画面は約3.6インチで、アスペクト比16:9のHD(1280×720ドット)解像度となっています。手に持つと驚くほど小さく感じますが、意外とフリック方式での文字入力は打ちやすく、QWERTYキーボードでの英字入力もあまりタイピングミスをしません。

むしろ女性や子どもなど、手が小さめの人でも片手で簡単に入力可能で、6インチを超える画面のスマホよりも扱いやすいかもしれません。


左から、iPhone 11 Pro、本機、Jelly Proでサイズ比較


本体カラーはナイトブラックおよびクールホワイト、クリムゾンレッドの3色展開となっていますが、クリムゾンレッドのみ4月以降の提供予定となっています。背面にもガラスを用いた高級感のある仕上がりで、ライン状に輝く加工が内側に施されています。


ナイトブラックは宝石のブラックオニキスのような輝きを放つ



金属ベゼルも光沢が強く、軽さのわりに見た目の高級感がある



クールホワイトも同様の輝きだが、クリムゾンレッドのみ光沢感が違う



楽天と言えば、やはり赤。鮮烈なこの色を指名買いする人は多そうだ


性能面ではチップセット(SoC)としてQualcomm製「Snapdragon 439」(オクタコア 2GHz+1.45GHz)を搭載、内蔵メモリー(RAM)容量は3GB、内蔵ストレージ容量は32GBと、昨今のスマホとしては必要最小限。OSにはAndroid 9.0(開発コード名:Pie)を搭載しています。

RAMや内蔵ストレージの容量に対してもう少し余裕が欲しいとの声もあるようですが、画面が非常に小さくゲームや動画視聴にあまり向かないことや、そもそもSoCがエントリー向けのライトなものであること、そして1250mAhと若干少なめなバッテリー容量から処理の重いアプリを長時間扱うような端末ではないことを考慮すると、この程度で十分だと感じられます。


Google マップを起動してみた。動作は十分に軽く利用は問題ない


■おサイフケータイ機能専用機にピッタリ!?
現在は無料サポータープログラム専用の端末として販売されている本機ですが、4月からを予定している本サービスではクリムゾンレッドも含めた3色で、実店舗およびオンラインショップでの販売が予定されています。

ここまで小ささにこだわったスマホは珍しく、そのサイズ感だけで興味を惹かれますが、価格でも一括払いなら21,800円、分割払いなら初回462円+454円/月×47回となるなど、破格の安さである点も注目です。

そのサイズゆえにメインスマホとしては使いづらい機種となりそうですが、FeliCaに対応している点は非常に大きなポイントです。サブ機として、場合によってはおサイフケータイ機能専用機として契約するのも良い選択肢かもしれません。


サイズ的にも交通系ICカードを持つ感覚で利用できる


一方、eSIMという契約方法である点は1つの「縛り」とも言えます。現在国内でeSIM対応している通信キャリアは、楽天モバイルの他では仮想移動体通信事業者(MVNO)の「IIJmio」しかなく、端末自体がSIMフリーで販売されていても他社回線で自由に使うというわけにはいきません。

物理的なSIMカードをなくしたことで、本機のような自由な発想のスマホが生まれたことを考えると、NTTドコモやau、ソフトバンクといったMNOや、他MVNOによる早期のeSIM対応が待たれます。


小さくてかわいい、思わず手に取りたくなるスマホ




記事執筆:秋吉 健


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