映画『酔うと化け物になる父がつらい』で渋川清彦とダブル主演を務めた松本穂香

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 女優の松本穂香が3日、都内で行われた映画『酔うと化け物になる父がつらい』完成披露試写会に登壇し、現場スタッフが号泣する圧巻の演技を披露していたことが明かされた。この日は、渋川清彦、今泉佑唯、ともさかりえ、片桐健滋監督も来場した。

 本作は、菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイが原作。田所家の娘サキ(松本)が、アルコールに溺れる父(渋川)と、新興宗教にのめり込む母(ともさか)に悩みながらも、明るく活発な妹(今泉)や、学生時代からの親友に支えられて日々をやり過ごす姿をコミカルに描く。人気ドラマ「きのう何食べた?」に参加した片桐健滋がメガホンをとった。

 本作に、「家族がディスコミュニケーションをしていくことによって関係が修復できなくなる過程を描きたかったし、これを観た人が、家族のつながりにおいて取り返しがつかなくなるタイミングがあることを認識してもらえたら」という熱い思いを持って取り組んだ片桐監督。

 重いテーマを描く本作だが、松本は「監督が最初から最後まで、『言いづらいセリフがあったら変えてもらって大丈夫』と言ってくださっていたので、極力違和感のないように過ごしていました。動作も、わたしのすることを、サキがすることとして見てくれていたので特に意識はしなかったです」と気負いはなかった様子。

 しかし、その演技力は圧巻で、片桐監督はサキが自分の感情を吐き出すラストシーンを挙げ、松本の姿を追うカメラマンが肩を上下に揺らすほど大号泣していたことを紹介。片桐監督自身も号泣していたそうで、「(松本は)人を引き付ける力がある」と絶賛。松本は「うれしいです。愛のある現場でした」と喜んでいた。

 一方、松本とダブル主演の渋川は実際に酒を飲みながら撮影に挑み、リアルな芝居を追求。松本は「(常に渋川の)顔がぽーとしていて、わたしもサキでいられることができたなぁという感じです」と回顧した。

 そんなヒロインの妹フミにふんした今泉は、「撮影場所が一軒家で、そこに人が密集していたからなのか、皆さんのオーラに圧倒され過ぎちゃって、このあと2週間くらいの撮影を乗り切れるか不安になりました」と撮影初日の心境を吐露。不安を覚える今泉に対して、松本は「(撮影の)合間にアイドル時代(欅坂46)の話とか、握手会ってどんな感じなの? とか聞いて仲良くなろうと必死でした」と笑顔で振り返っていた。(取材:錦怜那)

映画『酔うと化け物になる父がつらい』は3月6日より全国公開