2000年間隠されていたペルーの石碑をジャングルの奥地で発見

科学の進歩は考古学上の発見をも促します。例えば、持ち運び可能な高性能スキャナーは、侵食された文字や模様を把握するために役立つのです。
今回発見された、ペルー北部にあるジャングル奥地の石碑も例に漏れません。石碑に描かれている模様は雨によって侵食されていましたが、3Dスキャナーによって細部までを記録することができました。
この調査によって、石碑が2000年前に作成されたものであることや、その地域が神聖な場所だったことが判明しました。
研究はペルーの考古学者フェルナンデス・ダビラの研究チームによって行われ、詳細は「Live Science」上に掲載されています。
https://www.livescience.com/peru-ancient-monolith-discovered.html
ジャングルに隠された宝を3Dスキャナーで記録する

ペルー北部のジャングル奥地にある石碑の存在は、現地民とその地域を訪れたわずかな探検家だけにしか知られていませんでした。町から遠く離れたジャングル渓谷へ到達するのは非常に困難で、詳細な調査はなされていなかったのです。
しかし、石碑の調査を先延ばしにしてしまうと、そこに記された情報が失われてしまう恐れがあります。なぜなら、石碑は豪雨によって徐々に侵食されていくからです。
貴重な情報が失われる前に、それらの詳細を記録・保管しなければなりません。そのためにも、「ジャングルの奥地にまで携帯」でき、「侵食されている情報を読み取る」ことが可能なアイテムが必要です。
今回、研究者たちはArtec 3Dスキャナーを持って調査に向かいました。発見された石碑の彫刻は既に消えかかっており、肉眼では細部まで確認できない状態でしたが、Artec 3Dスキャナーによって詳細に記録・保存することができました。
更に、スキャンされたデータの色を調整し写し出すことで、研究者たちは彫刻の模様を正確に把握できました。
浮かび上がった「猫の羽模様」


3Dスキャンによって、石碑には、渦巻き、円形などの特徴的な模様が彫られていることが判明しました。
加えて、石碑には「猫の羽模様」と呼ばれている神に関連する模様が描かれており、その模様から、石碑が西暦前200年から西暦200年の間に作成されたことが判明しました。
ペルーの他の考古学調査によると、その当時は「猫の羽模様」が人気だったようです。
この彫刻は神との関連性を示しており、石碑があった場所は非常に神聖な領域だったと予想されます。
石碑は局所的には見られない堆積岩です。当時の人々は、1トンもあるこの岩を他の場所からジャングルの奥地へと運んできていました。大人数による共同作業でなければ成し得ないことでしょう。
多大の努力によって石碑を設置し、その場所を神聖な領域としたのです。
今回の研究者チームは、Artec 3Dスキャナーが考古学的発見をサポートできることを実証しました。考古学情報の記録と保管が容易になったので、さらなる調査のための遠征も決定しているようです。