デイリーキング鳥羽店の前身となるデイリークイーン鳥羽店は、1978年7月の鳥羽ショッピングプラザハロー(鳥羽ハロープラザ、核テナントはジャスコ→イオン)開業に合わせて開店。2004年3月のデイリークイーン撤退に伴い自主営業となり、のちに屋号を「デイリーキング」に変更した。

 デイリーキング鳥羽店は、屋号変更後もデイリークイーンの代表商品であったチョコレートソフトクリームやチキンフィレサンド、ホットドッグといった商品を引き継ぎ、また店舗内装、各種販促物もデイリークイーンのものを使用。地域住民のみならず、かつてのデイリークイーンファンや昭和レトロ愛好家にも存在が知られる存在となっていた。店員氏に伺ったところ、「デイリークイーン(デイリーキング)のために鳥羽に来た」という人も少なくなく、全国からの来店があったという。

 しかし、このデイリーキング鳥羽店も1月15日を以て閉店。デイリークイーンの日本撤退発表から16年を経て、ついに国内から完全に消滅することとなった。

◆撤退続く外資系アイス実店舗

 さて、近年撤退した外資系アイスチェーンといえばこの2つのみではない。「ハーゲンダッツ」も2013年までに日本国内の実店舗を全店閉鎖、歌を歌いながらアイスを混ぜることで話題を呼んだ「コールドストーンクリーマリー」も店舗数を大きく減らしており、なかなか定着しないという印象が付きまとう。

 日本ではコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、アイスクリームが多くの品揃えから選べる場が身近に多くある。ハーゲンダッツの日本撤退は、直営店舗よりもこうしたコンビニエンスストアやスーパーへの卸売りを重視するためであったとも言われる。実際、ハーゲンダッツはセブンイレブンと提携して限定商品の販売などをおこなっており、SNSで話題を呼ぶなど売り上げは好調だ。

 一方で、今回日本から消滅した2社はハーゲンダッツとは異なり、いずれも日本からの「完全撤退」であるため卸売事業なども行われない。そのため、今後は「海外にいかないと食べることができない味」となってしまった。世界大手として知られる企業だけに、ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」などのように運営企業を変えての再進出も期待されるが、両社ともに一度事業主体を変えて再挑戦したのちの撤退であることを考えるとやはり「望み薄」なのかも知れない。

 なお、コンビニエンスストアやスーパーで販売されている「ベン&ジェリーズ」の輸入アイスクリームについては今年3月まで納品を行い、在庫が無くなるまで日本国内で販売されるという。日本のアイスとは一味違うあの雰囲気を味わうなら今のうちだ。

<取材・文・撮影/淡川雄太(都市商業研究所)>

【都市商業研究所】
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