今季京都に新加入した谷内田。卓越した技術と判断力を武器に1年目からの活躍を狙う。写真:松尾祐希

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 高校サッカー選手権から約3週間。新潟県勢として初の4強入りを果たした帝京長岡高から新加入する俊英が、プロ1年目のシーズンをスタートさせた。

 卓越した技術とアイデアに富んだプレーが特徴の谷内田哲平は、京都サンガの一員として意気揚々とトレーニングに励んでいる。

“冬の檜舞台”に出場した影響で、始動日から9日遅れの1月17日にチームへ合流した谷内田。選手権で痛めた右太ももの状態も問題なく、1月23日から始まった沖縄キャンプでは初日からエンジン全開で汗を流している。

 27日の午後に行なわれたトレーニングでは精力的にメニューを消化。4チームに分かれて行なったミニゲームでも溌剌としたプレーを見せた。「パスは相手の逆を突けている」と本人が振り返った通り、技術面では“らしさ”を発揮。非凡なサッカーセンスは先輩たちに混じっても際立っていた。

 だが、ミニゲームを通じて存在感を発揮できたわけではない。「ボールを簡単に取られないことを意識している。そこが自分の強みだし、それを出していかないといけない」と谷内田の思いとは裏腹に、フィジカルの強さやプレースピードで苦戦する場面が散見。「早くプロのスピード感になれることですね。フィジカルで当たり負けしないようにしたい」と課題を口にしたように、状況判断も含めて改善の余地を残した。

 昨年もシーズン中に何度か京都のトレーニングに参加しており、その課題は本人も把握済み。早い時期のJデビューを目指すためにも、“プロの水”に慣れることが求められる。

 また、自分の考えを周りに理解してもらう作業も現在の課題だ。

 練習生として昨年の開幕前キャンプに参加しており、チームの雰囲気や仲間の考え方なども多少なりとも理解している。「去年も京都のキャンプを経験しているので慣れている部分もある。チームに溶け込めているし、そこは去年よりやりやすい」と本人が言う通り、馴染めているのは確かだろう。

 しかし、自身の特徴や性格までを完全に把握されているわけではない。性格的に内に秘めるタイプではあるが、自分を理解してもらわなければ、高い技術も宝の持ち腐れで終わってしまう。實好礼忠新監督の右腕で、FC東京U-18で長きにわたって育成年代の指導に携わってきた佐藤一樹ヘッドコーチも「もっと我を出してほしい」と話すように、いかに“自分”を出すかはポイント。「いろんな選手が自分の良さを出すためにやっているので、より多くコミュニケーションを取ることが大切」と本人が言うように早期の活躍を目指すのであれば、もうひとつの課題も改善すべき点だろう。

 すでに同世代のルーキーたちが結果を残しており、選手権で凌ぎを削った武田英寿(青森山田→浦和)も練習試合で得点を挙げた。そうした選手たちから刺激を受けており、“次は自分だ”と言わんばかりに谷内田は闘志を燃やしている。選手権を沸かせた男は自身の課題と向き合いながら、プロの世界で戦うための準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)