岡田武史オーナー、矢野将文社長、木村孝洋強化担当と新加入選手5名。写真:寺下友徳

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 1月26日(日)、昨シーズンJFL3位に入り、今季から56クラブ目のJリーグ所属チームとして明治安田生命J3リーグに参戦するFC今治が、愛媛県今治市のイオンモール今治新都市において「2020シーズン方針発表会」を二部構成で行った。

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 約700人のサポーターが詰め掛ける中、10時半から一般公開で行われた第一部では冒頭、元日本代表監督の岡田武史オーナーが今季から新たにトップパートナー/共生社会実現パートナーを務めることになったユニ・チャーム株式会社<本店:愛媛県四国中央市>の石川英二取締役副社長を紹介。

 石川副社長は「地元・日本を元気にして次世代に引き継ぐ部分でお互いの企業理念が一致したし、岡田さんと矢野(将文・代表取締役社長)さんの言葉に男のロマンを感じたので、通常はほとんどないことだが、高原(豪久)代表取締役執行役員にすぐ引き継いだ」とトップパートナー就任の経緯を説明した。

 その後、第一部は、19歳から20年の指導歴を誇るスペイン人のリュイス・プラナグマ新監督のあいさつ、胸スポンサーに入ったユニ・チャーム株式会社はじめ右鎖骨・左鎖骨含む全8スペースが埋まった新ユニフォーム紹介と進み、最後は昨シーズンJ3鳥取で11得点を挙げたFW林誠道や地元・今治市出身のMF越智亮介(←FC琉球)、DF近藤高虎(←流通経済大)。そしてDFチョン・ハンチョル(←町田)、GKイ・ドヒョン(←東海大福岡高)の韓国籍2名を含む、計5名の新加入選手のお披露目・トークセッションを開催。

 最後は子どもたちが一番前に座り、その後ろに年配の皆さんが席に付き、賑わい席でコールリードする方々が一番後ろで見守る地方共生社会の範たる形で陣取ったサポーターたちと岡田武史オーナーをはじめとするクラブ側が同じ目線でFC今治の未知なる航海への門出を喜び合った。
 
 また、場所を移し報道陣・パートナー・関係者向けに行なわれた第二部では以下の事柄が発表ないし囲み取材で判明している。

<岡田オーナーから>
1.昨年12月の今治市議会において、スタアジアム運営会社である株式会社今治.夢ビレッジに対し「ありがとうサービス.夢スタジアム🄬」(以下、夢スタ)北側の市有地30年間無償貸与が決まったJ2規格1万人規模のスタジアムは2020年10月着工。2022年1月竣工予定。コンセプトは「里山スタジアム」で、自然と一体化され、持続可能(J1規格の15,000人規模にも容易に改修可能)、ホスピタリティあふれるものに。また、株式会社梓設計、りんかい日産建設株式会社、四国通建株式会社が建設のパートナーとなることも発表。建設資金は40億円程度。

2.16歳になるまでのサッカーの型づくりを体系化した「岡田メソッド」を日本電気株式会社(NEC)がパートナーとなってICT化し、事業化することが決定。すでに北海道鹿追町での部活導入も決まっており、今年4月からは本格稼働となる予定。今季はトップチームもリュイス監督をフォローする形で「岡田メソッド」の色も出していきたい。

3.今季の事業は16社のエグゼクティブパートナーと約320社のパートナーによって構成され、グローバル事業、野外体験事業、指定管理者事業も含めて昨年から約2億円増の約9億円の見込み。我々が民設民営で成功させる先鞭をつけるなくてはいけないと思っている。

4.リュイス監督を選んだ理由はまず「人間性に間違いない人物」だから。実際に交渉をした際も誠実な人物。3試合ビデオを見てもポリシーを持っていた。ここまで1週間の指導を見ても「無理するなよ」といいたいくらい意欲的でいい指導をしてくれている。なお、最初は27人体制でスタートするが、補強するための資金は少し取っているので、監督の意見を聴いた上で必要があれば手を打っていく。
 
<矢野社長から>
1.2020年のシーズンスローガンは「深化成長」。これまでの5年間で勢いを持って成長してきたからこそ、深化を大事にランクアップしたい。ただ、前進しないわけにはいかない。トップチームはJ2昇格とサッカースタイルの構築を目指す。

2.来季、J2に昇格するためのクラブライセンス取得条件は調査中。一例をあげれば、新スタジアムの2022年シーズン開幕時のオープンを条件に、夢スタの照明光量を現在の7倍にすれば特例が認められる可能性がある。それらの解釈を調査、相談した上で6月にJ2ライセンスの資格申請をするための準備をしていく。

3.今年はJリーグに加入するのでパートナー、グッズ、入場料収入に加え、Jリーグらの分配金が加わるが、それ以外に収入減を多様化することは重要もと考えている。今年も研修・教育事業は4月に人員を増やすし、「岡田メソッド」も焦らず協業社を募り、サービスを拡げていこうと考えている。

<リュイス監督から>
1.FC今治に来た理由はいいプロジェクトを持っているし、希望のある未来があったから。自分がそこに関われることを嬉しく思う。去年J3に昇格した流れを保ちつつ新しいシステム・考えを採り入れていきたい。

2.自分が指導のモットーにしていることはスペイン語でいうと「コンペティテイーボ(競争意識)」。戦う力、勝つチームを作っていきたい。1月18日(土)のトレーニング開始から10日間は攻撃をメインに取り組んでいるが、その部分で選手たちはとてもよく取り組んでくれている。今季の目標は「より多くの試合に勝ち、より高い順位に行く」こと。

 なお、今後の今治は29日(水)に高知県内でJ2新潟と、2月2日(日)にホーム・夢スタでの「えひめサッカーフェスティバル」でJ2愛媛と練習試合を行なった上でチーム状況を把握し、2月9日(土)から18日(火)までの宮崎キャンプに臨む予定。まずは3月8日(日)夢スタ15時キックオフのJ3開幕戦・FC東京U-23戦での勝利に向け、彼らの壮大なる挑戦が始まった。

取材・文●寺下友徳(フリーライター)