敏感肌専門ブランドDECENCIA(ディセンシア)はこのほど、専門家によるメディア向け花粉症対策講座を開催した。知っているようで、実は知られていない「花粉症」のしくみについて、いくつもの興味深い話が紹介された。

埼玉大学大学院理工学研究科の王青躍教授


○花粉症の原因は花粉粒子ではない?

冒頭、埼玉大学大学院の王青躍教授が登壇。まずは、花粉症のしくみについて足早に説明した。

そもそもの話として「花粉症」というと、つい「花粉粒子を吸い込むことで発症する」と考えがちだが、正確には「花粉症の直接的な原因は花粉粒子ではなく、粒子の表面や内部に存在する花粉アレルゲンにある」という。花粉アレルゲンは、降水(湿度)により花粉粒子が破裂することで発生する、花粉よりもずっと小さな微粒子のこと。雨上がりに花粉症の症状がひどくなった、という経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。

日本気象協会によれば、東京における今年のスギ花粉の飛び始めは2月10日あたり(2019年12月5日調べ)。今年は例年に比べ、花粉の飛ぶ量はそれほど多くないとしている。しかし、こうした情報に油断してはいけないようだ。私たちが普段、天気予報で知ることができるのは「花粉の飛散量」であり、「花粉アレルゲンの飛散量」は知ることができない。冒頭の理由から、知るべきは花粉アレルゲンの飛散量にある、と王教授は強調する。

さらに厄介なことには、近年、大気汚染などでアレルゲンの抗原性は上昇している。一方で、生活環境の変化により人の免疫は減少を続けている状況。花粉に敏感に反応する人の数は、今後も増加傾向にあると警告した。

では、私たちは見えない微粒子に対して、どのように予防したらよいのだろうか。

王教授は「まずは体調管理を徹底して、免疫機能を向上させる」とした上で、「PM2.5や大気汚染が激しい日は外出を避ける」「汚染の激しい幹線道路、交通量の多い沿道での行動は避ける」「激しい運動は避ける」「秋シーズンは河川敷での散歩も注意する」といった対策を紹介。PM2.5対応マスクや、付着した花粉を払い落としやすい素材の衣服をまとうことも効果的であると説明した。

そして「呼吸器だけでなく、肌からも花粉アレルゲン微粒子の侵入を防ぐことが大事です」と王教授。人の肌は角層にバリア機能が備わっているが、肌表面の水分が失われると、体内に異物が侵入しやすいとのこと。つまり、乾燥する季節の肌の保湿が重要と話があった。

こうした研究に呼応するように、企業でも「花粉症対策グッズ」のような、効果的な商品の開発を進めている。帝人フロンティアでは、帰宅時に花粉を払い落としやすい生地で作ったコートを開発した。「ポランバリア」と呼ばれる、細い糸を緻密に織り、繊維の表面を特殊加工で平滑にした素材により、屋内への花粉の持ち込みを予防する。このほか、花粉を捕まえるカーテン、花粉の吸い込みを防止するマスクの開発も進めている。

帝人フロンティアは、特殊な素材「ポランバリア」で花粉のつきにくいコートを開発


ディセンシアでは、外部刺激をブロック&徹底保湿する「ヴァイタサイクルヴェール」という独自技術を確立した。乱れた角層を包み、肌の中に閉じ込められた保湿成分が角層まで浸透すると効果を宣伝している。

ディセンシアのクリーム全品に、独自技術のヴァイタサイクルヴェールが採用されている


○抗アレルギーのためにオススメは?

花粉症は、いまや多くの国民が悩まされる症状。王教授には、記者団から質問が相次いだ。

大気汚染により、アレルゲンの抗原性が上昇しているという説明があった。私たちは、つい中国・北京ではPM2.5などの大気汚染が進んでいると考えがちだが、東京と比較してどちらの空気が汚いのだろうか。王教授によれば、北京の方が空気は汚いが、旧正月で工場が止まればより綺麗になるとのこと。渋谷など東京都心の方が(北京より)空気が汚い日が、年に1〜2割はあるとの所感を述べた。

スプレーで花粉の付着を防ぐ市販商品の効果について、王教授は「私は(スプレーで行う花粉対策の)試験をしたことはありません」と前置きした上で、「花粉は落とせるかも知れませんが、花粉アレルゲンは落とせるでしょうか」と懐疑的な見解を示し、「花粉アレルゲンの抑制は重要です」と述べた。

抗アレルギーのため、王教授が食生活で心がけていることは、との質問には「発酵食品を摂っています。効果があると実感しています。納豆、ヨーグルトなどですね。それに高いタンパク質の食品、良い睡眠も重要です。あとは、毎日を楽しく過ごすこと」と話していた。