沖縄キャンプで存在感を見せていた選手たち。左から遠藤(G大阪)、原(FC東京)、マルティノス(浦和)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 沖縄はいま、Jリーグ各チームのキャンプが真っ只中にある。そんななかで、新たなシステムに挑戦しているFC東京、浦和レッズ、そしてハイプレスを武器に攻撃的なサッカーを確立しようとしているガンバ大阪。それぞれベースになるのは昨シーズンの主力だが、システム変更はなかなか出場機会に恵まれなかった選手にとって、大きなチャンスになる。

 浦和で積極的なプレーを見せていたのは、マルティノスだ。

 紅白戦では左サイドから持ち前のスピードを活かした突破で再三チャンスを作っていた。横浜F・マリノス時代は4-2-3-1、4-3-3のサイドでプレーしており、浦和が4バックに舵を切ったことで、やりやすさを感じているのだろう。練習での表情が明るく、活き活きとしている。移籍後は、なかなか出番を掴み切れなかったが、今シーズンは出番とともにサイドで仕事をするシーンが増えるだろう。

 さらに浦和では、山中亮輔、杉本健勇も動きがいい。

 山中は昨季、横浜から移籍してきたが、ウイングバックのスタイルにフィットせず、22試合の出場に終わった。だが、今年は4バックへの変更にともない、横浜にいた時のような自信に溢れたプレーを見せている。紅白戦でもサイドバックとしての動きの質の違いを見せ、大槻毅監督の信頼を勝ち取っているようだ。今シーズンは左サイドバックに定着しそうだ。

 杉本は、昨年21試合(スタメン6試合)出場で2ゴールと、まったく自分らしさを出せなかった。出場した試合はチャンスメイクが多くなり、センターフォワードとして勝負できない不運さもあったが、今シーズンは2トップで出場できればボックスの内でポジションを取れるので確実にゴールが増えるだろう。杉本自身、危機感を抱いており、やる気は十分。2017年に22ゴールを挙げた時の輝きを取り戻す予感は十分に漂っている。

 4-3-3のシステム変更に取り組んでいるFC東京で、今シーズンのブレイク候補と言えば、原大智だろう。昨季、FC東京U-23でプレーし、J3で19 得点を挙げ、得点王になった。原は190僂猟洪箸覆ら技術があり、得点能力が高い。トップでもサイドでもプレーができ、2ポジションを卒なくプレーできるので、今年は出場のチャンスが増え、飛躍のシーズンになりそうだ。

 移籍組では、アダイウトンが絶好調だ。磐田では単独突破できる選手として重宝されたがFC東京でも迫力のある突破を見せている。これまでのFC東京にはいないタイプとして、ポジションを掴みそうな勢いだ。まだ、アダイウトンの動きに周囲がなかなか追いついていない状況だが、前線の選手たちがうまくサポートできるようになれば攻撃パターンが広がり、得点のチャンスが増していくだろう。永井謙佑が故障で開幕に間に合わない状況ゆえ、しばらくはアダイウトンが攻撃でチームを引っ張っていきそうだ。
 
 ハイプレスという攻撃的な守備で新たなスタイルを打ち出そうとしているガンバ大阪は、その先鋒となる宇佐美貴史の動きがいい。昨年6月、ドイツから戻ってきた時は、チームの守備的なサッカーに戸惑い、メンタルも整わず、らしいプレーが出来ていなかった。

 だが、終盤になって攻撃的なサッカーにシフトすると宇佐美も吹っ切れたように持ち前の仕掛けて打つスタイルが戻り、恐さが増した。今年は昨年後半の調子を維持しており、いろんな選手に声掛けするなど中堅としての自覚が感じられる。ガンバがハイプレスの攻撃的サッカーを確立できれば、宇佐美は得点王争いに絡むレベルの活躍ができるだろう。

 そして今年40歳となる遠藤保仁も元気だ。

 昨シーズン、ラスト5試合では攻撃的なサッカーを展開したチームの軸となり、4勝1敗で7位まで順位を上げた。今シーズンはコンディションが上々でチームにリズムを生むボール回し、急所を突くパスなど遠藤ならではのプレーでチームを牽引している。昨年は、28試合(スタメン20試合)だったが、今年はスタメン出場が増えるのではないだろうか。

 ガンバは、小野裕二以外、レギュラー陣を脅かすような選手を獲得できていないので、必然的に既存の選手の出力を上げていくしかない。しばらくは中堅の宇佐美をはじめ、「しんどい」と漏らしながらも明るい表情でプレーしていた倉田、そして遠藤らベテランが新たなガンバのサッカーの軸を担うことになるだろう。

取材・文●佐藤 俊(スポーツライター)