ワインより魚介に合う!?海外で日本酒が人気のワケ

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 最近は世界的に和食が注目を集めていますが、「日本酒」がとくに人気なのをご存知でしたか? 国税庁が2019年2月に発表した日本酒の輸出総額は約222億円を超える(対前年比119%)結果となり、9年連続で過去最高額を記録しています。今後、政府は日本酒の輸出拡大を進めており、これからますます日本酒が世界に広がっていきそうです。

 ところで、日本酒のどんなところが海外で注目を集めているのでしょうか?

 世界に日本産食品の普及を推進する日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が、日本酒と魚介類とのペアリングを提唱するプロモーションを、ニューヨークやロンドン、パリなどで実施しています。JFOODOによれば、海に囲まれて海の幸に恵まれている日本で、日本酒は魚介料理に合うように発展したお酒であり、うまみ成分をたっぷり含んでいることから、魚介類のうまみを増幅させる効果があるそうです。

 また、魚介料理といえば白ワインという考えを持つ欧米人からすれば、日本酒との組み合わせは新しい体験。さらに、日本酒にはワインよりも勝る特徴があるというのです。それは、含まれる成分にあるようです。

 ワインには鉄分が含まれている他、多くのワインメーカーが亜硫酸塩を保存料として扱うため、魚介類と反応を起こし、魚の生臭いニオイを発生させてしまうそう。一方で日本酒醸造家では、亜硫酸塩の使用は禁止されており、鉄分は精米の際に水からろ過されるのだそう。

 ワインと比べ、日本酒には魚介の潜在する不快なニオイを引き起こさず、魚介本来の味を引き出す機能があるというわけです。日本が生んだ日本酒に、これだけすごい効果があったとは驚きですね。

 JFOODOが2019年10〜11月に3か国5都市で実施した魚介料理店とのコラボイベントでは、魚介類と日本酒のペアリングを楽しんだ合計約750人のうち、約86%の人が「今後も日本酒を飲みたい」と回答したそうですよ。

 外国人の口にも、魚介と日本酒の組み合わせは合う様子。東京2020大会も控えており、日本にやってくる外国人も多いため、この日本酒の豆知識、ぜひ教えてあげましょう。