話題の5Gをゼロから知っていく本連載。今回は「C/U分離」というキーワードを解説します。

 

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ゼロから知れる5G

 

実は2つの信号をやり取りしている

まず「C」と「U」は何を指しているのでしょうか。

 

そもそも端末は、通信するときに2種類の信号を基地局とやり取りしています。1つは、端末がどの基地局と接続するのか、端末が通信できる状況にあるかどうかを判断する制御信号。この信号を「コントロールプレーン(Control-Plane)信号」といい、その頭文字をとってCプレーン信号と呼びます。

 

もう1つは、写真をダウンロードしたり、ウェブサイトでショッピングをしたりといった、実際のデータを伝送する信号。これを「ユーザーデータ(User-Plane)信号」、頭文字をとってUプレーン信号といいます。

 

このように、「C」と「U」は端末と基地局のあいだでやり取りする信号のことなんです。従来では、端末が通信するとき、2つの信号を必ず同じ基地局とやり取りしていました。5Gネットワークでは、この「Cプレーン」と「Uプレーン」を分離して、別の基地局と通信できるようにしようとしています。そのメリットはどこにあるのでしょうか。

 

基地局の切り替えがスムーズに

その前に、5Gの導入について少し振り返りましょう。5Gが既存の4Gと併用して運用されていくことは、第10回で解説したとおり。広大な4Gエリアのなかに、小さな5Gエリアがスポット的に展開されていきます。

 

【参考記事】

【ゼロから知れる5G】第10回/5Gの運用方法「NSA/SA」って何?

 

このとき懸念されるのが、スループット(一定時間あたりに伝送できるデータ量)の低下。4Gエリア→5Gエリア、もしくは5Gエリア→4Gエリアと移動すると、接続する基地局の切り替え(=切断と接続)が頻繁に発生します。つまり、一瞬ではあっても頻繁に接続が途切れてしまい、非常に効率の悪い通信になってしまうのです。また、5Gの電波は届く範囲が狭く、建物などに遮蔽されやすい性質もあるため、電波の切断が起きやすいとも考えられます。

 

C/U分離のメリットは、基地局の切り替え時に発生するスループット低下を防ぎ、通信を効率良く行うこと。具体的には、Cプレーン(制御)信号は広範囲をカバーする4Gの基地局に接続。Uプレーン(ユーザーデータ)信号は速度で勝る5Gの基地局に接続します。

 

 

4Gと5G間で移動しても制御信号は変わらず4Gで通信するため、ユーザーデータの通信がスムーズに切り替えられます。たとえば、移動しながら動画を見たり、電話をしたりしていても、それらの通信品質を保つことができるのです。

 

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