SNS映え」する写真を撮ることも可能

 いまやドライブレコーダーは必須アイテムとなっています。交通事故の際の状況を記録したり、はたまた駐車時のいたずらを記録したりできるもので、最近ではあおり運転対策としてフロントだけでなくリヤや室内の映像を記録できる機器も増えています。そんなドライブレコーダーですが、じつは交通アクシデント以外にも役立つケースがあるのは、ご存じでしょうか?

 まず、ドライブレコーダーの説明書などにも記されていることがありますが、旅の思い出を記録するのに役立ちます。ドライブレコーダーのなかには静止画を撮ることができるものもありますし、また専用アプリなどを使って動画から静止画を抜き出せるタイプもあります。なかにはWi-Fiなどを利用してスマートフォンとつながるタイプもあり、そうした機能を利用するとドライブレコーダーの画像を簡単にSNSに投稿できたりします。

 たとえば走行中にすごくいい景色の場所があった、トンネルを抜けたら大きな山が目の前に現れて感動したといったとき、運転しながら撮影することはできませんが、ドライブレコーダーの映像により、風景をあとから見ると楽しかったりするものです。ただしドライブレコーダーのレンズというのは、かなり広角なので通常のカメラとは画角が異なるもので、風景などは広く見えて楽しめますが、前方を走っていたクルマなどはずいぶんと変形してしまうので、あとから見るとちょっと違うと感じるかもしれません。

事件の解決につながることも!

 また、ドライブレコーダーというのは、走行中は常に録画しているものです。そのため思いもよらない現象などを撮影できることがあります。流れ星や火山の噴火といった自然現象を偶然撮った映像はインターネットの動画サイトにアップロードされていますが、近年ドライブレコーダーで撮影したものを見かける機会が増えてきました。

 個人の楽しみとしては意味がないかもしれませんが、とても珍しい自然現象が記録されるというのは、人類全体としては大切なことです。また、火事や爆発などの事故を偶然記録した映像をもとに、原因解明が進むことも期待できます。

 事故、事件の解決としては行方不明や誘拐が疑われるケースにおいて警察が、その該当時間に付近を走行していたクルマドライブレコーダーの映像提供を申し出ることもあります。そうした映像から不審なクルマや行方不明者の足取りなどがわかれば、事件解決の糸口になるかもしれません。

 プライベートな映像を見せるのは気分がよくないという人もいるかもしれませんが、役に立つのであれば協力するのはやぶさかでないという人もいるでしょう。その映像をどのように利用するかはオーナーにゆだねられていますが、いずれにしてもドライブレコーダーというは自然と移動型監視カメラとなっています。

 昔から「どこで誰に見られているかわからないよ」と言われていましたが、いまや「どこでも、クルマに撮影されているよ」というわけです。ドライブレコーダーの普及により、いっそう襟を正した行動が求められる時代へと変化しているといえそうです。