体が欲しちゃう…「不倫をやめられない」女性の大きな代償

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現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、アブノーマルなエッチの虜になり、元上司との不倫をやめられない30代女性。三松さんが、不倫が絶対ダメな理由と、真実の恋愛を説きます!

文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ

【レスなひとびと】vol. 62

美玲(32歳)決断力レスで、超束縛部長と別れられない。このままじゃ結婚できない体質になる気配。

美玲は整髪剤メーカーの広報職に転職したばかり。長い巻き髪をかきあげると、複数の男性社員からの視線を感じる。そう美玲は見た目上等。Dカップ。点は二物を与えた…と自分で思う。

わざとピッタリフィットのセーターを着て出社する。男性の視線はより女を美しくするという信条を掲げている。飲み会で男性社員から「美玲さんって彼氏いるんですか?」と聞かれた。

「うん」

「うわー、そうだよなー。どんな人なんですか? 写真見たいです」

「写真はないや」

写真なんて見せられるはずない。彼氏は既婚者。人前では言えない秘密の関係。前の会社の笹川部長。新人時代からかわいがられていたというパターン。新橋の高級ふぐの店に連れて行ってもらって、日本酒グイグイ。気づけば大人の関係になっていたというアルアル歴史。

毎日18時きっかりに部長からLINEが来る。

「美玲、今日の予定は?」

「まっすぐ家に帰るよ。お惣菜買って帰って食べる」

「いい子だね」

直帰するなんてもちろん嘘だ。今日は会社の飲み会だが内緒。束縛が強すぎて、前はLINEの男友達の連絡先を全部消された。GPSも付けられた。今日はGPSをつけられている携帯は家に置いてきているのでどこにいるかバレない。秘密の恋をするとスマホの台数が増えるという噂はホントだ。面倒くさい。その面倒くささに耐えられる男女でないと、リスキーな恋は続かない。

部長とは、将来を描けない。新しい彼氏がほしいな。そう思うけれど、離れられない。

「美玲、ここのワインはレアなものが多いんだ。飲んで香りを覚えて」

週末デート。普通は予約が取れない人気店。美容院で読んだ『dancyu』で見かけた。彼とならどんな店にでも行ける、何でも手に入る。

コース料理を楽しんだあと日本橋にそびえる高級ホテルへ。

「美玲、身体のすみずみまでがキレイだね」

逃れられないのがセックス。しつこいくらいに、他の男が舐めないような部分を舌先で攻められる。

「ええ? そこも舐めるの? 恥ずかしい…」

そして毎回違うおもちゃを持ってくる。何度イッたかわからなくなり、意識を失いそうになる。

「妻はおもちゃなんて軽蔑した目でみるんだ。でも僕より美玲のほうが好きものだから安心する」

「私、ヘンタイってことかあ。まずいなあ。早くエッチ好きの彼氏を作らなきゃ」

しかし、豪華なデートにアブノーマルセックスが“好きもの美玲”を虜にしている。

「出会い系アプリに登録なんてバレたら怒られるだろうな。会社にはいい男いないしなあ。どこで探せばいいのかなあ」

こんなの一生は続かない。わかっている。でも離れられない。“好きもの美玲”の苦悩はつづく。

【三松さんからのコメント】

不倫はダメ。絶対ダメです。みんなわかっているはずです。なのになぜ、リスキーな恋をしてしまうのでしょう。

今回の登場人物は3人。ひとりは美玲さん、部長さん、妻。3人とも幸せになる結末はありません。どうやら部長さんは、自分の性の好みを妻に認めてもらえず、家で満足なプレイができていない。妻が卑下した目で夫を見ると、夫はやる気がなくなります。ベッド以外でも夫婦仲が冷えている可能性も大。

美玲さんを遊びと割り切って好きなようにしているわけです。ある意味、男性の欲求を満たす窓口的存在。妻とのストレスを美玲さんで解消しているかも。デートは豪華で、束縛されるから愛されていると錯覚してしまう。果たしてそれはマジ恋か?

恋愛関係は対等なもの。GPSをつけて監視されるような関係は、相手を信頼していない、相手を意のままに操る主従関係です。

辛いかもしれませんが別れを決意せよ。彼氏を作ってからと策略を巡らせていては長引くばかり。恋愛の保険をかけるようなズルイ女性は、腐植土色のオーラを発し、きれいでなくなります。

まずはひとりになってみる。仕事や友人との時間、ひとりの時間を大切にし、気分が落ち着いたらパートナー探しをするのです。

依存した関係は窮屈です。常に相手のことが気になる。心が自由に羽ばたかない。恋愛感情が対等なパートナーとはお互いが自由で、相手をもっとハッピーにしてあげたいと優しい気持ちになります。

「いけない恋がやめられないあなた。決断力を身につけよう。日常の二択シーンでホントの自分がガチで喜ぶ選択肢を指でさす。パスタorピラフ…真剣に選ぶ癖を。」

三松 真由美恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。