全豪OP男子の展望。BIG3の他に、テニス解説者が挙げた意外な優勝候補

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20日に開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日〜男子2月2日・女子1日/ハードコート)。WOWOWの週刊テニスNAVIにて、元デビスカップ代表選手で解説者の石井弥起さんが、男子シングルスの展望について語った。

近年のグランドスラム男子シングルスは、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)のBIG3が優勝をほぼ独占。昨年の決勝もジョコビッチ対ナダルだった。今年の「ATPカップ」でもその対戦が実現し、そのスーパーラリーに観客も大興奮していた。今回の「全豪オープン」も彼らが中心になるという。


「間違いなくBIG3の三人が中心になって全豪もまわっていくんじゃないかなと言わざるを得ないというか、三人を誰が崩していくのかが注目です。私が考える中ではダニール・メドベージェフ(ロシア)です」


メドベージェフは昨シーズン躍進。特に終盤では出場6大会連続で決勝へ進出し、マスターズ1000で2度優勝、「全米オープン」では準優勝に輝いた。


年始の「ATPカップ」でも力を発揮。ロシアをベスト4へ導き、ジョコビッチに1-6、7-5、4-6で敗れたものの、勝利への執念がぶつかり合うスーパーラリーを見せるなど、ジョコビッチを苦しめた。


「なんといってもサービス力というのが彼の武器ですから。そして長身ですけれども、動きも良いんですよね。スライディングもできる、そういうコートカバーリングが活きるのが、もしかしたらハードコートなのかなという気がしますね。ナダル、ジョコビッチ、フェデラーを抜かして考えたら、優勝候補の筆頭かなと思います」


ただ石井さんはもう一人意外な選手に注目しているという。


「もう一人挙げるならば、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)ですね。まだ線が細い印象はあるんですが、しっかりトレーニングをして、パワー負けしない芯の強さを身につけたなという印象があります。コートに入った時の目に宿る力、ギラギラするパワーを見ていて感じますから、彼が2020年、上位に食い込んでくるんじゃないかなと予想しています」


ルブレフは2017年「全米オープン」で、19歳にしてベスト8へ進出したことで有名に。その後怪我もありしばらく伸び悩んだが、昨年の「ATP1000 シンシナティ」3回戦でフェデラーをわずか61分で撃破。ATP(男子プロテニス協会)が選ぶ2019年ATPツアー番狂わせランキングの1位となった。


今シーズン開幕戦の「ATP250 ドーハ」で優勝して3個目のタイトルを獲得し、現在キャリアハイの世界18位となっている。


いよいよ来週に迫った2020年最初のグランドスラム。遂に新しい王者誕生となるか、BIG3の独占は続くのか、注目だ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「全豪オープン」で優勝したジョコビッチ
(Photo by Michael Dodge/Getty Images)