目の前の舞台を駆け抜ける、美しき少女たちの迫真バトル! 舞台「アサルトリリィ League of Gardens」ゲネプロレポート

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舞台「アサルトリリィ League of Gardens」が、2020年1月9日〜15日の期間、東京・新宿FACEで上演されている。ここでは、本公演前に行なわれた公開ゲネプロの様子をレポートする。

「アサルトリリィ」は、アゾンインターナショナルとacusがリリースする1/12アクションドール・フィギュアシリーズをべースとしたコンテンツで、舞台公演「アサルトリリィ League of Gardens」、TVアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」(2020年7月放送予定)、アプリゲーム「アサルトリリィ Last Bullet」など多方面での展開が行なわれている。本公演「アサルトリリィ League of Gardens」は「アサルトリリィ」の物語の中核をなす名門校・百合ヶ丘女学院を中心に、各校の精鋭リリィが入り乱れるという内容となっている。

 

 

「アサルトリリィ」の舞台となるのは近未来の地球。人類は“ヒュージ”と呼ばれる謎の生命体により破滅の危機に瀕しており、ヒュージに対抗する力を持った少女たちは“リリィ”と呼ばれている。ルドビコ女学院、エレンスゲ女学園、神庭女子藝術高校、御台場女学校、相模女子高等学館、百合ヶ丘女学院といった学園は、リリィを育成する養成機関であり、“ガーデン”と呼ばれている。設定の情報量が多い作品だが、本舞台では新人リリィである主人公・一柳梨璃(ひとつやなぎりり、演:赤尾ひかる)がリリィとはなんたるかを学んでいく過程を通して、自然と世界観の概要が理解できる構成だ。

 

 

会場に入って驚くのは、階段状のメインステージの「大きさ」と「近さ」だ。1メートルほどの高さのステージは、階段で客席最前列の目と鼻の先まで拡張され、奥行きと高さもめいっぱい舞台の一部として活用している。開幕直後、制服とウィッグで美しく装った19人のリリィたちが、それぞれの武器を携えて並び立つ光景は圧巻だった。衣装や武装の作りこみは、さすがドールやフィギュアを元にしたコンテンツといった感じの細かさで、キャラクターの再現度は非常に高い。

 

 

今回の舞台の中心となるのは名門校・百合ヶ丘女学院に所属する一柳隊の9人で、一柳梨璃役の赤尾ひかるさん、白井夢結(しらいゆゆ)役の夏吉ゆうこさん、楓(かえで)・J・ヌーベル役の井澤美香子さん、二川二水(ふたがわふみ)役の西本りみさん、安藤鶴紗(あんどうたづさ)役の紡木吏佐さん、吉村・Thi・梅(てぃ・まい)役の岩田陽葵さん、郭神琳(くぉ・しぇんりん)役の星守紗凪さん、王雨嘉(わん・ゆーじあ)役の遠野ひかるさん、ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス役の高橋花林さんと、アニメの声優と同一のキャストが舞台に出演する。

 

 

残りの10人は各校選抜のエースリリィたち。西本りみさん演じる二川二水は大のリリィファンであり、各校のエースたちに出会った感激や、その強さ・素晴らしさをオタク特有の早口で語ることで、観る側にも自然と設定が入ってくる。うまいなと思ったのは、各リリィが所有する「レアスキル」の存在だ。戦場を広く見渡し把握するスキルや、全魔力を消費して一撃必殺を可能にするスキルなど、各人が持つスキルは、そのキャラクターの性格や性質とも密接に結びついている。バトルシーンの能力から、キャラクターの本質を知っていくことが可能なのだ。また、ある程度キャラクター理解が進むと、あの学校のあのリリィはこのスキルを所有しているのだから立ち位置はこうだろう、と想像することもできる。ゲーム的なスキル設定を、キャラクター性の伝達にうまく使っている印象だ。

 

 

巨大な生命体とのバトルという、アニメやゲームならではのシチュエーションの表現には、2.5次元舞台のノウハウがふんだんに投入されている。肝となるのは効果音の使い方で、斬撃、射撃、爆発、そして敵対する生命体の咆哮といったサウンドエフェクトをとてもうまく活用している。必死の表情で客席の奥を見据える演者たちの視線の先に、巨大な生命体の躍動がだんだんと浮かび上がってくるようだ。

 

その体験に臨場感を与えているのが、舞台ならではの迫力だ。前述の通り、本公演のステージは客席から非常に近い。そして、演者たちは会場各所のサブステージや通路を縦横無尽に駆け巡る。全力で走り、飛び降りるように階段を降りるリリィたちの「ドン!」という着地の衝撃が足元まで伝わってくるのである。今回の舞台は約2時間の尺だが、演者たちはその多くを全力で駆け抜ける。その全力さ、必死さ、ひたむきさが、キャラクターの存在とバトルにリアリティを与えているように感じた。

 

 

キャラクター同士の関係性も、本作の魅力と言えるだろう。「一柳隊」の名前は主人公の一柳梨璃から取られているが、彼女自身は本舞台のスタート時点では実戦未経験で、レアスキルにも覚醒していない未熟なリリィだ。しかし彼女のやさしさとひたむきさ、白井夢結に対する憧れが9人の心をつないでいく。先輩と後輩が疑似姉妹となって教え導く伝統や、各校のリリィたちの火花散らすライバル意識など、物語を生む要素がふんだんに散りばめられた作品だ。

 

 

ゲネプロ終了後挨拶で、一柳梨璃役の赤尾ひかるさんは「19人をひとつにするのが目標です。各公演に魂を込めて、みなさんと素敵な舞台を作り上げていきたいと思います」と語っていた。約2時間の濃密な舞台が千秋楽までにどう育っていくのか、そしてアニメやゲームとの関わりの中で演者たちがどう成長し、変化していくのか。様々な意味で今後の展開が楽しみになる舞台だった。

 

(取材・文/中里キリ)


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