秩父宮の大観衆を前にラインアウトで競り合うリーチ・マイケル

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 W杯日本大会で火が付いたラグビー人気は、12日開幕したトップリーグにも反映。全国6会場での8試合に計11万6737人が詰めかけ、「リーチ!」「姫野〜」と日本代表選手のプレーに大騒ぎした。この盛り上がりが続けば、リーグが目標に掲げるシーズン動員50万人をはるかに超え、100万人の大台も夢ではなくなってきた。

 日本ラグビー協会の森重隆会長が朝9時過ぎ、秩父宮ラグビー場に向かう途中で人の波が。「何のイベントだろう」と辿っていくと、その波は秩父宮まで続いていた。

 早々に売り切れた午後2時開始の人気カード、サントリー対東芝の第2試合ならまだしも、午前11時開始の日野対NTTコムの第1試合目当てに観客1万7072人。「日野の応援団」が「トントントントン、日野の…」と大合唱すれば、NTTコム側も応酬した。

 ゴール裏までぎっしり埋まった第2試合、通称「府中ダービー」の雰囲気はW杯の再現。東芝・リーチがボールを持つと一斉に「リーチ!」の掛け声がかかり、サントリー・松島が走るたびに2万1564人のスタンドが揺れた。最高潮は後半6分。ライン展開に加わった松島が、股の間を通すアクロバティックなパスをトライに結びつけると、しばらく歓声とどよめきがやまなかった。

 堀江、稲垣、福岡ら日本代表6人が出場したパナソニック対クボタ(熊谷)では、福岡が2トライの快走で1万7722人を喜ばせた。そして最多2万3004人を集めたのは、神戸製鋼対キヤノン(大阪花園)。ニュージーランドのレジェンド、カーター(神鋼)と日本代表の田村(キヤノン)によるSO対決が注目されたが、昨季王者の神鋼が50−16で勝った。

 これまでは企業用チケットが多かったが、「にわかファン」のため一般用の割合を増やした効果もあり、1試合平均1万4592人の大入り。このペースで全120試合を消化すると、シーズン動員100万人も夢ではない。サントリー・流主将は「たくさんのお客さんの前でプレーできるのは名誉なこと。これを続けるためにも、われわれトップリーガーはファンの心を打つような試合をする責任がある」と話した。全選手の偽らざる気持ちだろう。(スポーツジャーナリスト・柏英樹)