イオンリテール(株)は1月9日から、全国のイオンリテールなどスーパー540店舗で米国産牛肉の一部商品について販売価格を値下げして販売した。2月末まで据え置いて販売する。日米貿易協定の発効による関税引下げに伴うもの。一時的なセールによる値下げではなく、定番商品の価格を“改定”することで、より顧客に値ごろ感を実感してもらうねらいだ。同社では1月中の別途牛肉を中心としたセールを展開する予定だが、これを機に、来年度には米国産牛肉の取扱量を2割ほど増やしていきたい考えだ。

価格改定の対象は、「アメリカ産牛肉ばらカルビ焼肉用」「牛肉ばら味付けカルビ焼肉用(解凍)」の定番商品2品目。改定額は、本州・四国のイオンとイオンスタイルの場合、100g当たりの本体価格でそれぞれ20円。定番商品の価格改定としてはここまでの下げはなかったという。具体的には、「アメリカ産牛肉ばらカルビ焼肉用」が100g当たり278円(改定前298円、値下げ率6.7%)、「牛肉ばら味付けカルビ焼肉用(解凍)」が同128円(148円、13.5%)となる。2月末までの2カ月間でそれぞれ52t、110tの販売を予定している。全量が協定発効後に通関した原料だけでなく、昨年12月に輸入したものも一部含まれているという。

9日午前に東京都品川区のイオンスタイル品川シーサイドで説明会が開かれた。会場となった精肉コーナーでは、「関税引き下げ還元!輸入食品がいっそうお求めやすくなりました!」を謳ったPOPを掲示し、価格改定した2品をはじめ、サーロイン、カタロースのステーキ商材や牛ホルモンなどの品ぞろえも拡充していた=写真。剱持彰畜産部長は、「セールも別途企画しているが、いつもお店で品揃えされている定番商品の価格が引き下げられることで、お客も安くなったことがより実感することができる」と今回の価格改定のねらいを説明した。また、「今回の価格改定に際して2月末までの物量は確保している。その後については、世界の食肉需給環境が大きく変わるなか、この先の現地価格や為替の変動、物流など諸経費を考えると、長期的に価格を下げることは難しい」とし、今後はセールも定期的に展開しながら販促を行うとしている。同社によると、米国産牛肉の年間取扱量は3,500t(内臓含む)に上るという。

剱持部長は、「これまで関税上不利にあった米国産が、やっと豪州産と同じ土俵になったことで、今後はその時にベストな商品を、米国産あるいは豪州産で選択して販促していく。ただ、方針としては米国産牛肉を伸ばして、来年度には2割ほど拡大していきたい」と意欲を見せている。

〈畜産日報 2020年1月10日付〉