静学を初の単独優勝に導いた川口監督。写真:徳原隆元

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[高校選手権決勝]静岡学園3-2青森山田/1月13日(月)/埼玉スタジアム2002

 5試合で16得点・0失点。まさに盤石の強さで決勝に勝ち上がった静岡学園は、準決勝まですべて同じスタメンで戦ってきた。

 だが、川口修監督は、青森山田との大一番を前に1箇所をいじった。CFを岩本悠輝(3年)から加納大(2年)に入れ替えたのだ。

 左膝の状態が万全でなくバックアッパー加納が元々はレギュラーだったとはいえ、ここまで得点ランクトップの5ゴールを挙げている岩本を外すのは難しい決断だったはずだ。指揮官は、その理由について次のように明かした。

「加納の足の状態がよかったので、前日練習の動きを見て決めました。これは僕の直感ですけど、絶対に俺を使ってくれというギラギラしたものが見えた。彼が入ることで、真ん中でタメができるし、違ったリズムでできる。5試合やって、ある程度研究されているかなと」
 
 初スタメンに応え、2年生ストライカーは序盤からアグレッシブにプレー。そして1−2の1点ビハインドで迎えた後半16分、大仕事をやってのけるのだ。

 左サイドから内に切れ込んだMF草柳祐介(3年)のパスを受けると、相手CBの藤原優大(2年)を背負いながら反転し、左足を一閃。強烈なシュートでネットを揺らした。

 この同点弾の直前、静岡学園のベンチでは岩本が交代で入る準備をしていた。川口監督は試合後、CFを代えようとしていたことを明かしている。

「実は加納を代えようと思っていました。足下の縦パスに対しては青森山田のディフェンスが強く、なかなかボールが収まっていなかった。岩本は裏へ抜け出したり、マークを外す一瞬のスピードを持っているので、流れを変えようかと。負けていたし、ここが勝負どころだと思いました」

 ところが、投入目前にして加納が同点ゴールを決めたため、「岩本は引っ込めました(笑)」(川口監督)

 加納自身は先輩FWがスタンバイしていること知らなかったようだが、いずれにしても、9番の一撃で追いついた静岡学園が流れを掴み、85分にCB中谷颯辰(3年)のヘッド弾で勝ち越し。24年ぶり2度目の栄冠に輝いた。

 もしあと少し交代が早ければ……。ゲームは違う展開になっていたかもしれない。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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