積極果敢な攻撃を展開した帝京長岡のアタッカー陣を牽引した晴山(10番)。その存在感はエースのそれだった。 写真:徳原隆元

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[高校選手権準決勝]青森山田2-1帝京長岡/1月11日(土)/埼玉スタジアム

 打てども、打てども、眼前に立ちはだかる白き壁を、帝京長岡は打ち崩せなかった。

 キックオフ直後から、持ち前の軽やかなパスワークを展開し、堅守を誇る青森山田陣営に積極果敢に攻め入った帝京長岡。その中で起点となったのは、エースストライカーの晴山岬(3年)だった。

 引いて受けてから、的確に味方へとボールを捌いたナンバー10は、自ら決定機を生み出した。21分に楔のパスをエリア内でコントロールすると、すかさず前を向いて、右足のアウトサイドにかけたトリッキーなシュートを放ったが、これはゴール左に外れる。1-2で迎えたゲーム終盤の後半アディショナルタイム4分には、左サイドからの折り返しをワントラップしてから左足で狙ったが、渾身の一撃は相手守護神の佐藤史騎(3年)の好守に阻まれた。

 試合後、帝京長岡の新潟県勢初の選手権ベスト4進出を支えたエースは、涙は見せなかった。むしろ、晴れやかな表情で全国での激闘を振り返った。

「長岡に育ててもらって、ここまで来れたっていうのは、誇らしいことだと思ってます。今までベスト8で負けてしまっていた人たちの想いも背負って戦って、自分たちのサッカーでここまでやれたのは、本当に一番嬉しかった」

 淡々と大会を振り返った晴山だが、悔いがないわけではない。渾身のシュートを2度に渡って決め損ねた準決勝を思い返し、「最後に決めるところを自分が決めてれば、勝てたかもしれないし……」と唇を噛みしめた。

「崩すところまではいったんですけど、決められなかった。たぶん、観ている人も、自分が決めていれば、勝てたなと思う人も多いと思う。そこは自分の責任だし、自分が一番感じなきゃいけない。最後も完全に入ったと思いました(笑)。キーパーが神懸ってました。止めてから、振りも強く行けたんですけどね。『うわ、マジか! それ止めるの!?』ってなりました(笑)。もう少しだけ足の振りを速くしないといけないですね」

 卒業後はJ2の町田ゼルビアへの入団が内定している晴山。「プロでは点を取れないと生き残れない」と口にした北信越の点取り屋は、全国の檜舞台で残した課題を克服するために次のステージへと進む。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)