宇野昌磨【写真:Getty Images】

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ランビエール氏が五輪メディアのインタビューで宇野に言及

 フィギュアスケートの全日本選手権で4連覇を達成した宇野昌磨(トヨタ自動車)。そのコーチに正式に就任したトリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエール氏は「ベビーフェイスで、純粋で無垢な精神の持ち主」と愛弟子を称賛している。五輪公式メディア「オリンピックチャンネル」で語ったもの。

 全日本選手権四連覇を果たした後、2月の四大陸選手権回避を発表した宇野。現在オーストリアでトレーニング中の新弟子について、ランビエール氏は2020年冬季ユース五輪のメダルデザイナー、ザケア・ページ氏との対談で大いに語った。

「かつてのユース五輪出身の選手として言及したいのがショウマ・ウノです。正式にコーチになりましたね。ユース五輪で世の中に出た際の小さなベビーショウマの映像を我々も見ました。我々も愛しています。数週間前にネットで紹介された演技も見ましたが、みんな度肝を抜かれましたよ」

 2012年にインスブルックユース五輪で銀メダルを獲得した宇野のジュニア時代からよく知るというページ氏がこう語りかけると、ランビエール氏も嬉しそうに話し始めた。

「2日前にショウマと一緒にいました。彼は変わっていません。ベビーフェイスですし、純粋で無垢なスピリットの持ち主です。私は彼とインスブルックで行われたユースオリンピックで出会いました。いまだに彼の目を忘れることができません。話をする機会がありました。彼は英語を理解していませんでしたが、瞳が輝いていて。夢に溢れていました」

 中学時代から変わらぬキュートさを湛える宇野の12年当時の瞳の輝きが印象だったと振り返る恩師。その才能を絶賛し、ベビーフェイスの裏に秘めた実力も高く評価している。

宇野の姿勢を称賛「ショウマは練習において、無目的なものが一切ない」

 昨季、5歳から師事していた山田満知子コーチと樋口美穂子コーチから離れ、試行錯誤の日々を過ごしたが、ランビエール門下生となり復活への兆しを見せている。

 フィギュアスケートのメンタルの重要性について問われた、ランビエール氏は静かな口調でこう話し始めた。

「思うに全てのスポーツで、メンタルの部分は本当に大きい。影響を与えるものです。コーチは選手に最も身近な存在です。すごく重要で、(選手には)周囲に対する信頼感が必要です。悪い日もあれば、いい日もあります。モチベーションが湧いてこない日もあるでしょう。その日の練習で初めての4回転ジャンプを着氷する日もあります。毎日色々な課題に向き合います。そこにはサポートと信頼がなければいけません。それがあれば、戦えるメンタル作りが容易になることは間違いありません。規律、情熱とともに夢に向かうことができるのです」

 さらにランビエールコーチは「ショウマは練習において、無目的なものが一切ありません。怒りではありませんが、決意の力というものがあります。それがアスリートをさらなる上に導くものです。魔法ではないのです」とも語っている。

 新たな環境で心機一転、世界を相手に頂点を目指す宇野。ランビエール氏とともに充実の日々を過ごしている様子だ。(THE ANSWER編集部)