テレビ朝日ビッグスポーツ賞の表彰式に出席した澁野日向子(撮影:福田文平)

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一気にブレイクした2019年も終わり、渋野日向子が勝負の年を迎えた。『テレビ朝日ビッグスポーツ賞』の表彰式に出席した渋野は、今季のスタートを米国女子ツアーの東南アジア連戦からスタートすると発表した。
「まだエントリーはしていませんが」とした上で、初戦となるのは2月23日に開幕する「ホンダLPGAタイランド」の予定。こちらは推薦出場となる見込みだが、その翌週の「HSBC女子世界選手権」は昨年の「全英AIG女子オープン」優勝ですでに出場権を獲得済み。今月末にはタイに飛び、10日間ほどの合宿を経て一度帰国。再びタイに飛び、開幕を迎える予定だ。
米ツアー2連戦を終えると、シンガポール翌週にはすぐに国内女子ツアーの「ダイキンオーキッドレディス」に出場。日米両ツアーを行き来するシーズンが本格化するが、その後の予定はどうなるのか。
「海外メジャーに出場しながら、日本のツアーにも可能な限り出場する」というのが一般的だが、海外メジャー出場となると、移動も含めかなりハードなスケジュールが予想される。6月末の世界ランキングによって「東京五輪」出場の可否が決まるため、現在11位のランキング維持は大命題。ツアー本格参戦2年目は、移動や休養といった面でも厳しい道のりが続く。
そこで気になるのは渋野の国内ツアー出場。今季の国内ツアーは37試合。19年の賞金ランキングで2位に入った渋野には、賞金シード選手として出場義務が発生する。20年の規定はまだ発表されていないが、19年までのものにあてはめると、今年の賞金シード選手の出場義務試合は21試合。これは、出場権が限られる「日本女子オープン」、「TOTOジャパンクラシック」、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を除いた34試合の60%以上というのが基準となっている。
渋野は今季の海外女子メジャー5試合の出場権を有しており、さらには8月最終週に行われる国別対抗戦の「ULインターナショナルクラウン」のメンバーにも選出される可能性が高い。さらには、スポット参戦で米ツアーに参戦する機会も出てくる可能性を考えると、国内の義務を果たすだけでもかなりの過密日程となりそうだ。
海外メジャーや、日本女子プロゴルフ協会が承認した『海外主要トーナメント』の出場権を有し、これに出場する場合はこれらの海外試合も前記の出場試合数に含まれる。ただし、海外試合に出場となると時差や小時間移動の関係などもあり、前週、翌週の試合を欠場するケースも出てくるのが一般的。海外チャレンジにはどうしてもこの義務試合数が障壁となることが過去にもあり、渋野も例外ではない。
唯一の救いは、渋野が19年はノーシード選手であったため、『前年賞金シード選手もしくは前年度優勝者(この場合は18年)』が2年連続で同一試合を欠場した場合の100万円という罰金は適用されない。それでも渋野が義務試合数をこなすとなれば、“空き週”をとりにくくなるというのが実情だ。
加えて秋には21年の米ツアー参戦を目指すための予選会「Qシリーズ」参戦を予定しており、この場合は合計8日間を戦い抜く日程もあって3週間、国内ツアーを欠場する見込み。シーズン終盤になって、なお、過密スケジュールが渋野を待ち受ける。
これはあくまでも19年までの規定であり、今季変更があるかどうかはまだ発表されていないが、規定は規定。その中で結果を残しながら五輪出場、米ツアー出場権獲得を目指す。国内では当然ながら昨年同様の結果を期待されており、置かれた厳しい状況で、渋野がどこまで飛躍することができるのか。世界を驚かせたあの全英のような感動を今年も見せることができれば、今後は規定も変わってくることになるのだろうか。まずは、開幕のタイに注目することになりそうだ。
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