「現状維持は衰退。挑戦し続けたい」リーダー・ななもり。が語る、すとぷりの夢

2016年6月4日。リーダー・ななもり。が、“歌ってみた”、“ゲーム実況”など、出自の異なるメンバーを集め、結成した動画配信エンタメユニット“すとぷり”こと、すとろべりーぷりんす。現在はさとみ、ジェル、莉犬、るぅと、ころん、ななもり。の6人で活動している。

リレー生放送、YouTubeの「すとぷりちゃんねる」や、メンバー個人のチャンネルへの動画投稿と並行しながら、CDをリリースし、ライブを開催(驚くべきことに、ソロアルバム制作&ソロライブを行っているメンバーもいる!)。全国ツアーを終え、2019年9月にはユニット史上最大規模となる埼玉・メットライフドーム(西武ドーム)での「すとろべりーめもりーvol.10」にも挑戦。

2019年、すとぷりは一瞬たりとも歩みを緩めることなく走り続けた。応援してくれるリスナーのために。では、2020年はどうなるのか――?

「現状維持は衰退。僕は挑戦し続ける人でありたい」。ななもり。の言葉が答えだ。

取材・文/野口理香子

勉強の積み重ねと、メンバーの努力が結びついた2019年

2019年のすとぷりは、活動の幅も知名度もさらに広がり、とても充実した1年だったと思います。振り返ってみていかがですか?
……怒涛の1年でした。

結成当時から思い描いていた夢はあったんですけど、それを実現するには、すごくたくさんの勉強と準備が必要で。たとえばCDだと原盤権や出版などの権利関係のことや、各店舗さんにどうしたら展開していただくことができるのかという営業面のこと、ライブだと構成から演出……そういうところから始まって。
初めてのことだらけですもんね。
そうなんです。だから2018年は、勉強と準備の年だったと思っているんですが、その積み重ねと、メンバーみんなの努力とが結びつき、多くの方に協力していただいたおかげで、やっとリスナーのみなさんに届けられたのが2019年だった、と考えております。
本当にいろんなことがあったと思いますが、とくに心に残っている出来事というと?
2019年7月の頭に1stフルアルバム『すとろべりーらぶっ!』を出しまして、そこから全国ツアーをして、9月末の西武ドームでのライブという、CDのレコーディングから含めると、6月の頭からの4ヶ月間になるんですけど、この期間は本当にもう……「物理的に時間がない!」ということの連続で。本当に大変だった記憶があります。
そういったリアルでの活動と並行して、メンバーのみなさんはネット上での活動も続けられているわけですしね。
CDのレコーディングとツアーが決定する前に、みんなと話していたのは、僕たちはあくまでもネットの活動がメインのグループだということ。CDを出すことで、日頃から行っている生放送と動画投稿の頻度やボリュームが落ちてしまうぐらいならやめようという話も、みんなでしていました。
リアルな活動を制限してでも、ネット上での活動を大切にしよう、と。
はい。僕らは第一にネットの活動を頑張るべきだ、と話をしていて。ネットの活動をこれまで通り維持したうえで、CDやライブなどの音楽活動をみんなができるんだったら挑戦しようと決めたんです。それで実際に4ヶ月走りきってみて、両方の活動を実現できたので、本当によかったです……。
前回、莉犬さんとななもり。さんの対談取材をさせてもらったときに、「残念なことに、憶測でいろいろ言われたりすることもある。その結果、僕たちを応援してくれているリスナーさんが心ない言葉や噂で不安になったり」「すとぷりの言葉が届かなくなる瞬間があった」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
生放送はすごくリアルタイムなので、いいことも悪いこともすべて伝わるのが楽しくもあり、ちょっと不安もあるなと思っています。僕はすごく好きなんですけどね(笑)。

不安というのは、僕たちの言葉がダイレクトに届くぶん、すごく喜んでくれる方もいらっしゃれば、僕たちが思っていない形で受け取られて、悲しむ方、怒る方もいらっしゃるから。「好き」と伝えていても「嫌い」と受け取られることもあって、すごく苦しいんですけど、でもすごく喜んでくれる方がいるのも事実だから、その方たちのために頑張ろうっていう思いでずっと続けてきました。
心が折れる瞬間もあると思うんですけど、ななもり。さんはあまり落ち込むタイプではないですか?
悔しいな、とは思いますね。真実じゃないことを言われたり、根も葉もない噂が広まったりすることは……。「◯◯らしい」が「◯◯だった」に変わり、最終的には「◯◯が言ってた」に変わって、僕たちも「えっ……?」って戸惑うこともかなりあって。
それは悔しいですよね。
だけどそこで伝えることをあきらめよう、とは絶対にならないです。これからも僕らの言葉を待ってくれているリスナーさんのために、発信し続けようという気持ちです。

“実写”ジャケットにもこだわった2ndアルバムの全貌

さて2ndフルアルバム『すとろべりーねくすとっ!』が1月15日に発売になりますが、このアルバムの制作はいつ行っていたんですか?
楽曲の制作は2019年の夏に、レコーディングは西武ドームのライブが終わったあたりからでした。
今回、ジャケット写真がイラストではなく実写になっているものもありますね。
僕たちは普段、ライブのときしか顔出ししていませんし、自撮りすらもSNSで公開していないので、これまでのジャケット写真はイラストでした。ただ、イラストの時点で苦手意識を持つ方がいたり、お友達にアルバムを紹介したときに、「私はそういうのあまり好きじゃないから」って言われたリスナーの方もいるそうで……。

それで「実写のジャケットにしてほしい」という要望をたくさんいただいたので、リスナーさんのためなら!と、慣れない撮影を頑張りました(笑)。
そうだったんですね。
すごくカッコよく撮っていただいたのはいいんですけど、手もプルプル震えましたし、待ち時間の長さに驚きました。100枚撮ったうちの1枚しか、みんなに届けられないですしね(笑)。そんな撮影裏話も生放送でお話させてもらっています。
本作のコンセプトを教えてください。
ミニアルバムの『すとろべりーすたーと』は、今までのすとぷりらしさがぎゅぎゅっと詰まった僕たちの自己紹介になるようなアルバムにしたいという思いで作りました。

1stフルアルバムの『すとろべりーらぶっ!』は、僕らの愛を伝えようという思いが根本にありました。楽曲を通して、リスナーのみなさんに愛を伝えるには、どうしたらいいんだろう? 何をしたら喜んでくれるだろう?と考えたときに、僕たちが現状に甘んじず、いろんな姿を見せられるように挑戦していくことかな、と。

だから「らぶ」という響き的に可愛らしい楽曲が多いのかと思いきや、いろいろな表現に挑戦した楽曲で構成されたアルバムになりました。中には『No Perfect』みたいにオシャレすぎて、僕たちの身の丈にあってるのかも怪しい楽曲もあったりするんですけどね(笑)。
(笑)。
それで、今回の『すとろべりーねくすとっ!』は、2020年1月15日、いちごの日にリリースするということで、半分はすとぷりらしさを集めた楽曲で。残りの半分は、新しいすとぷりの姿がお見せできるような楽曲にしようと思って作りました。
4曲目の『Next Stage!!』は、ななもり。さんの作詞ですね。
僕は妥協できないタイプでして、期限を決めて、この日までにやりきるって決めて作詞をしても、納期がまだ後ろにあると思うと、もっともっと変えたくなってしまう性分なんですよね(笑)。

僕がリスナーさんに伝えたいことってすごくわかりやすくて、「ありがとう」と「好き」と「これからも頑張るんだ」っていうこの3つなんです。この3つをいろんな形で、いろんな色で伝えようとしているんですけど、どうしても似てきちゃったりして……。「あ、また同じこと言ってる」みたいな。

だから今回もギリギリまで悩んで悩んで、書き直しながら作りました!
そんな『Next Stage!!』のレコーディングはいかがでしたか?
この楽曲は本当、最後にギリギリのギリギリでレコーディングしたんですけど、たぶん、いちばん肩の力を抜いて収録できたんじゃないかなと。よくも悪くもすごく楽しみながら録りました。みんな笑ってました(笑)。

ガチガチに緊張していた、初レコーディングからの成長

レコーディング中の出来事で覚えていることはほかにありますか?
『ギンギラ銀河』は夏前に録った楽曲なんですけど、というのも『妖怪ウォッチ』のアニメとゲームのオープニングにもなっているので、ちょっと早めにお渡ししなければいけない事情もあって。普段僕たちってこぢんまりとした、数人しかいないスタジオで録っているのが、『ギンギラ銀河』の収録は関係者の数が多くて……。
多くの方たちが見守る中で歌うのは、すごく緊張しそうです。
緊張しました……。だけど、より気合も入ったし、成長したような気がします……!
『ギンギラ銀河』の映像、莉犬さんが作ったんですよね。
そうなんです。莉犬くんは、作詞、作曲、動画、台本となんでも作れる子なんですよ。

編集の技術で言ったら外注の方のほうが当然プロなんで上手いんですけど、すとぷりらしいものを作れるのは莉犬くんだなと。それで今回、莉犬くんにお願いしました。リスナーのみなさんが喜んでくれる内容になっていると思います。
ところで『すとろべりーすたーと』のレコーディングのときのことって覚えていますか?
『すとろべりーすたーと』のときは、外のスタジオに録りに行くこと自体が初めてだったんです。自宅でカメラの前に座りながらひとりで歌うものだと思ってたから(笑)。
そこから経験を重ねて、今回のレコーディングでは成長を実感する瞬間はありましたか?
はい! まずはめちゃくちゃ緊張していたのが、少しずつ慣れてきて、自分たちらしさを出せるようになったこと。歌が上手くなってるかというと、それはまったくないんですけど(笑)、ちょっとずつ曲の特徴をつかんで、リスナーさんが喜ぶように、こうやって歌おうか、こうやってアレンジしようかって考えることができるようになりました。

あと、グループの楽曲で難しいなと思うのは、曲の時点でキーがある程度決まっているので、その音程にキーが合わないメンバーも出てくること。僕とるぅとくんの声はけっこう低くて、一方で莉犬くんはすごく高い。こんなふうに声の高さが違っても、それぞれが調整できる適応力がついてきたなって思います。
なるほど!
「ななもり。&ジェル」、「さとみ&ころん」、「るぅと&莉犬」っていういつもの組み合わせではなく、今回は、さとみくんの次に僕がきたり、るぅとくんの次にジェルくんがきたりする場面もあります。僕らが歌いやすいからではなく、リスナーさんが楽しんでくれるような組み合わせを考えて、歌割りを作ることができました。

化学反応が起きやすい、多種多様なメンバーが集まっている

このあいだ西武ドームでのライブを成功したばかりなのに、3月にはナゴヤドームでのライブも決定。プロの歌手でも、プロの声優でもない。顔出しもしてない。そんなすとぷりがここまで大きなグループになったのはなぜだと考えていますか?
おそらく、ここまでいろんなジャンルに挑戦できるグループって、僕らのほかにいないんです。たとえはゲーム実況をメインでやられている方ですと、歌を歌ったときに「歌はいいからゲーム実況をやって」という反応が返ってきたり。“歌ってみた”で活躍されている方だと、オリジナル曲を求められていなかったりするんですよね。

僕たちのグループは、メンバーの活動内容の幅が広いから、いろんなジャンルに挑戦できる。まとまりがないぶん、いろんな化学反応を起こすことができる。そこに面白さを感じていただけているのかなと思います。
多種多様なメンバーをまとめるリーダーとして、大切にしていることはありますか?
僕は自分がリーダーだっていう意識もあまりなくて、リーダーとしてこう振る舞わなきゃとも考えていないです。

すとぷりを結成したときから、みんながよりよく活動できて、自由に挑戦できるように、僕は裏方にまわって勉強するべきだと思っています。もちろんみんなが楽しんでくれるなら、グループでの活動にも全力を尽くすし協力するけれど、みんなの活動をサポートしたいという気持ちのほうが強いんですね。
リーダーと部下、みたいな関係性じゃないですもんね。
そうですね。友達でもあり仲間でもあり、お父さんと息子みたいな関係でもあり(笑)。
父のように兄のように、メンバーを温かく包み込む優しさこそ、ななもり。さんが慕われる理由だと思います。
ありがとうございます……。メンバーからもそうですし、お仕事で一緒になった後輩の子とかによく言われるのは、「最初はどんな人かまったくわからなかった」と。「これだけ相談に乗ってくれたり、親身になってアドバイスをしてくれるのは、何か裏があるからじゃないか……?」と思われているみたいです(笑)。
そんな(笑)。
僕は今の活動がすごく楽しくて、こんな普通な僕たちがたくさんの方に喜んで受け入れていただけることに感謝しかありません。だからこそ、一時のブームで終わらせたくないですし、頑張り続けたい、挑戦し続けたいという気持ちでいっぱいです。そのために僕にできることがあれば、惜しみなく力を注ぎたいと思っています。

リアルと二次元を行き来できるのが、僕らの強み

これから叶えたい夢はありますか?
今でこそバーチャルYouTuberという、キャラクターと人間の中間みたいな存在がいますが、僕たちもTwitterや生放送や動画ではイラストで活動していて、ライブやイベントでは顔出しもしている。リアルと二次元を行き来することができるのが、すとぷりの魅力であり強みです。

リスナーの方によっては、リアルで顔を見たい方もいると思いますし、キャラや歌だけ聴きたい方もいると思うので、ひとつのライブでもいろんな楽しみ方ができるような仕組みを作りたい。これが、何年かけてでも叶えたい夢です。
具体的には……?
たとえばドームライブをさせていただくとして、東京ドームでも4万5000人の観客数が限界で、それ以上の方には直接届けられないんですね。でも僕らを360°取り囲んだVRセンサーのようなものを用意して、インターネットでは、キャラクターの僕たちが歌って踊る映像を流す。そういう届け方ができれば、もっとたくさんの方に、日本を飛び越えて、海外に住んでいる方にもライブを楽しんでいただけますよね。
夢が広がりますね。ちなみに、「化学反応が起きるようなメンバーが集まってる」とか、「リアルと二次元を行き来できる」といった強みは、結成当時から意識していたことなのでしょうか?
いえ、まったく。そもそもCDも出す気もなかったんですよ。だって、プロのアーティストじゃない僕たちがお金をいただいて音楽を届けるなんて、誰が受け取ってくれるんだろうかと思いますよね(笑)。

ですが、オリジナル曲を作って公開している中で「CDを出してほしい!」という要望をたくさんいただき、「ここまで言っていただけるなら、出すしかないよね」と。
リスナーの声を聞いて、要望に応えたいと行動してきた結果、今があるということなんですね?
そうなんです。リスナーさんとすごく近い距離で、一緒に前に進んできたという感覚があります。

ななもり。の性格が丸わかり!? 究極の2択に挑戦

最後に食べます。おいしいものは最後に食べたいタイプです。
過去に行きたいですね。
何歳の頃ですか?
小学6年生の頃です。僕の人生が変わりそうなタイミングが小6のときにあったんですね。あのときに選ばなかった、もうひとつのほうの道に進んでいたら、今の僕はどうなっていたのか見てみたいなぁ。
未来でお願いします。
その理由は?
正直に言うと、どっちも見たくないんですが……。人の心が見えてしまうと、関わりたいと思う人がいなくなってしまうような気がして、どっちかといえば楽しく過ごせそうなのは、未来かなと!
笑いのセンス! リスナーのみなさんを笑顔にできるから。
激動の1年でお願いします。
即答ですね。
僕の人生のテーマでもあるんですけど、現状維持は衰退だと思っているんです。誰かを否定しているわけでは決してないですが、僕自身はずっと挑戦し続ける人でありたい。
2019年も激動の1年だったと思うんですが、2020年も同じように頑張るぞ、と。
はい、頑張ります。今年も応援よろしくお願いします!
ななもり。
1995年6月23日生まれ。A型。人気動画配信エンタメユニット・“すとぷり”(すとろべりーぷりんす)のメンバー兼リーダー。担当カラーは紫。個人としては動画投稿サイトで歌ってみたやゲーム実況を中心に活動中。すとぷりとしては2020年1月15日に2ndアルバム『すとろべりーねくすとっ!』をリリース。3月21日にはナゴヤドームでのワンマンライブも開催。

CD情報

2ndアルバム『すとろべりーねくすとっ!』
2020年1月15日リリース!

左から初回限定ライブ映像盤A[CD+DVD]、初回限定ライブ映像盤B[CD+DVD]、初回限定ボイスドラマCD盤[CD+CD]、通常盤[CD]

初回限定ライブ映像盤A[CD+DVD]
¥3,300(税込)
初回限定ライブ映像盤B[CD+DVD]
¥3,300(税込)
初回限定ボイスドラマCD盤[CD+CD]
¥3,300(税込)
通常盤[CD]
¥2,750(税込)

サイン入りCDプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、ななもり。さんのサイン入りCDを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2020年1月14日(火)12:00〜1月20日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/1月21日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月21日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月24日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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