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厚生労働省は7日、今月24日(金)全国公開の映画 「キャッツ」とのタイアップ・ポスターを公表した。

「キャッツ」は、イギリスを代表する詩人T・S・エリオットの詩集をもとにした、国内でも上演中の人気ミュージカルを実写映画化した作品。作中では、臆病な子猫や、孤独な猫、兄貴肌の猫、紳士的な猫、自由奔放な猫、元大スターの老猫など、個性あふれる猫が多数登場し、活躍する。

人びとの暮らしや地域のあり方が大幅に多様化する中、厚労省は、各地域の生活者一人ひとりが尊重され社会参加することにより、生きる力や可能性を最大限に発揮できる「地域共生社会」の実現を目指した取り組みを推進している。このタイアップを通じて、「地域共生社会」の重要性などを広く伝えたいとしている。

「地域共生社会」を提案する背景
(厚生労働省ウェブサイトより)

○ かつて我が国では、地域の相互扶助や家族同士の助け合いなど、地域・家庭・職場といった人々の生活の様々な場面において、支え合いの機能が存在しました。社会保障制度は、これまで、社会 の様々な変化が生じる過程において、地域や家庭が果たしてきた役割の一部を代替する必要性が高まったことに対応して、高齢者、障害者、子どもなどの対象者ごとに、また、生活に必要な機能ごとに、公的支援制度の整備と公的支援の充実が図られ、人々の暮らしを支えてきています。

○ しかし、我が国では、高齢化や人口減少が進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まってきています。暮らしにおける人と人とのつながりが弱まる中、これを再構築することで、人生における様々な困難に直面した場合でも、誰もが役割を持ち、お互いが配慮し存在を認め合い、そして時に支え合うことで、孤立せずにその人らしい生活を送ることができるような社会としていくことが求められています。

○ また、人口減少の波は、多くの地域社会で社会経済の担い手の減少を招き、それを背景に、耕作放棄地や、空き家、商店街の空き店舗など、様々な課題が顕在化しています。地域社会の存続への危機感が生まれる中、人口減少を乗り越えていく上で、社会保障や産業などの領域を超えてつながり、地域社会全体を支えていくことが、これまでにも増して重要となっています。

○ さらに、対象者別・機能別に整備された公的支援についても、昨今、様々な分野の課題が絡み合って複雑化したり、個人や世帯単位で複数分野の課題を抱え、複合的な支援を必要とするといった状況がみられ、対応が困難なケースが浮き彫りとなっています。

○ 「地域共生社会」とは、このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものです。

【参考】
映画「キャッツ」公式サイト
https://cats-movie.jp/
厚生労働省:「地域共生社会」の実現に向けて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184346.html

医師・専門家が監修「Aging Style」