「浮き彫りになったテクノロジーの「光と闇」:『WIRED』が振り返る2019年(サイエンス編)」の写真・リンク付きの記事はこちら

2019年も「WIRED.jp」は科学的研究に基づく多くの記事を公開した。よく読まれた記事を振り返ると、テクノロジーによる新たな発見や課題解決への期待だけでなく、人間活動が地球にもたらす不都合な真実を知ろうとする視点があることに気づかされる。

わたしたちの人体や地球環境について、明らかにされていないことは多い。

日焼け止めが体内に吸収される可能性が示唆された一方で、人体への直接の影響は判明していない。問題視されるマイクロプラスティックも同じように、体に及ぼす影響は完全にはわかっていない。

ただ確かなのは、「影響がわからないから、いまの活動を続ける」というマインドでは、その代償は計り知れないということだ。第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)に参加した16歳の環境活動家であるグレタ・トゥーンベリも、これまで人間が問題から目をそらし続けてきたことで引き起こされた問題を訴え続けている。

こうしたなか、12月発売の雑誌『WIRED』日本版が掲げたテーマが「地球のためのディープテック」である。急速に進むこの「深い社会課題」を前に、単に循環型経済や自然回帰を標榜するだけでなく、文明を大きく一歩前に進めるような「射程の深いテクノロジー」によるブレイクスルーが求められているからだ。

リチウムイオン電池の開発が生活を変えたように、わたしたちはまだ、テクノロジーによる課題解決を完全にあきらめたわけではない。いま求められるのは、技術革新がもたらす医療分野への貢献や、まだ見ぬ量子コンピューターがもたらす可能性などへの希望を捨てず、地球に存在する人間以外の生物にも目を向け、科学が明らかにした真実を受け入れた上で、わたしたちがこれからどうありたいのかを問うことではないだろうか。

関連記事:アインシュタインの影を追い続けた国際チーム:「ブラックホールの最初の画像」はこうして撮影に成功した「量子もつれ」の瞬間を世界で初めて画像に記録、英研究チームが成功

今月、スター・ウォーズの最終章となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開された。『WIRED』日本版に転載した『ヴァニティ・フェア』のインタヴューに監督のJ.J.エイブラムスは、「この三部作は若い世代の物語だ。新しい世代は、過去からの負債のツケを払わされているように思う」と語っている。この発言には、2019年という時代に通じる“何か”がある。これから先を見据えるためには、「過去を受け入れ、そこから学び、未来へ進んでいくこと」が重要なのだ。

来る2020年、目の前の“闇”に決して臆することなく、導き出された“結果”という真実を受け止めよう。そして希望をもって前進し続けたい。