「PS5、Stadia、Apple Arcade。ゲーム業界は変動の1年だった:『WIRED』日本版が振り返る2019年(ゲーム編)」の写真・リンク付きの記事はこちら

はじめに断っておこう。「ゲーム編」と銘打っているが、ここで振り返るのは今年発表・発売されたゲームタイトルや、華々しい功績を残したプロゲーマーたちではなく、それを取り巻くゲーム業界の話題だ。2019年を彩った素晴らしいタイトルのいくつかについては、「WIRED.jp」でもレヴューを公開しているので、ぜひチェックしてほしい。

※『WIRED』によるゲームレヴューの関連記事はこちら。ゲーム全般の関連記事はこちら。

さて、2019年のゲーム業界はニュースにこと欠かない年だった。

まず3月の「ゲーム・デヴェロッパーズ・カンファレンス(GDC)」で、グーグルがクラウドゲームサーヴィス「Stadia」を発表した。2018年の「E3」カンファレンスでは、エレクトロニック・アーツ(EA)やマイクロソフトなどが、同じくクラウドゲームサーヴィス事業への参入を表明していたが、そこにあのテック大手が参加するということで大きな話題となった。

同じく3月末、アップルがゲームのサブスクリプションサーヴィス「Apple Arcade」を発表。月額600円で100以上の新作タイトルを利用できる手軽さや利便性が注目された一方で、囲い込み型エコシステムや一括型のサブスクリプションがゲーム開発者の側にどのような影響を与えるのかを考えるきっかけにもなった。

もうひとつ忘れてはならないのは、ソニーの次世代ゲーム機「プレイステーション 5(PlayStation 5、PS5)」に関する情報が明らかになったことだろう。記録媒体としてのSSDの搭載や、ハプティック(触覚)技術搭載のコントローラーなど、次世代機にふさわしい進化を遂げるプレイステーションには、世界中から注目が集まっている。

『WIRED』ではソニー・インタラクティブエンタテインメント社長兼最高経営責任者(CEO)のジム・ライアンと、PS5のリードアーキテクトであるマーク・サーニーへの独占取材記事を2度にわたって掲載した。これらの記事へのアクセス数の多さからも、この次世代機への注目度の高さがうかがえた。

こうした一方、世界保健機関(WHO)によって今年正式に精神疾患として認定された「ゲーム障害」についても何度か取り上げた。疾病認定されたとはいえ、ゲーム依存に関する科学的研究はまだ始まったばかりだ。プレイ時間ばかりに目を向けてしまっては、本当に深刻な問題を見逃しかねない(実際に、過度なゲームプレイは問題行動の原因ではなく、心理的問題の兆候であることを示す研究結果も出ている)。今後さらに増えるであろうゲームとメンタルにまつわる研究には、これからも注目していくべきだろう。

下記で紹介するような、グーグルやアップルなどの大手テック企業によるゲーム業界への本格参入。また(今回は紹介できていないが)eスポーツトーナメントにおける香港デモの処遇問題など、今年ゲーム業界では業界内外にも影響する出来事がいくつも起きた。

いま、ゲーム業界は激しい変化の時を迎えている。『WIRED』では激変するゲームビジネスを読み解く新連載も開始予定なので、期待していただきたい。