新潟大学と亀田製菓は、幼少期の米(胚乳)タンパク質の摂取が、成熟期の肥満を抑制することを明らかにした。米タンパク質が腸内細菌に影響して、大腸菌を抑え、肥満や2型糖尿病、腎臓病を抑制できたとみている。今回の研究はマウスで、今後は人で研究を重ね、適切な摂取時期や摂取量を明らかにし、子どもの頃からの食育推進や米を中心とした和食の評価向上につなげていく。

 研究は、4〜10週齢の幼少期に米タンパク質を含む餌を与えたマウスと動物性タンパク質を与えたものを比べた。その後の成熟期(10〜22週齢)に脂肪分の多い餌を与えても、幼少期に米タンパク質を給与したマウスは体重、脂肪重量、血糖、総コレステロールなどの増加が抑えられた。また、腎障害で増える尿中アルブミンの排せつ量も、米タンパク質を食べた方が低かった。

 脂肪が多い食事を取り過ぎると腸内細菌が乱れ、大腸菌が増える。同大大学院医歯学総合研究科の細島康宏特任准教授は「肥満には腸内細菌が関わっている。腸内細菌叢(そう)の形成には幼少期の食事が重要。成熟期から米を食べても、米タンパク質が脂肪の排せつを促すため、一定の効果はある」と指摘する。

 亀田製菓お米研究所の樋口裕樹アシスタントマネージャーは「白米の機能性は、研究が進んでいなかった。米のイメージアップにつながればいい」と期待する。