スズキは、人気軽SUVの新型「ハスラー」を2019年12月24日に発表し、2020年1月20日から発売します。アクティブなユーザーに人気のハスラーですが、新型モデルは「どこまで遊べる軽なの」でしょうか?

 

一見デザイン変化は分かりづらいが、実はグッと進化した新型「ハスラー

「東京モーターショー2019」でもその姿を披露していた2代目ハスラー。思った通り、先行披露されたデザインそのままでの登場となったわけです。外観デザインはパッと見、先代ハスラーとあまり変わっていない印象ですが、走行性能や安全機能などクルマの本質的な部分が大幅に進化しています。

 

登壇したスズキの代表取締役社長・鈴木俊宏氏は、「先代は月販5000台目標でしたが、新型は+1000台の6000台!必達目標で考えています」と話しました。

↑スズキ代表取締役社長・鈴木俊宏氏

 

現行型ハスラーは、2014年1月に登場。軽トールワゴンとSUVをかけ合わせた新ジャンルのクロスオーバー軽自動車は、大径タイヤやスクエアなボディなど、その愛らしくも力強いスタイリングや、4WDの走行性などがレジャー志向のユーザーを中心にヒットします。

 

そんな新型ハスラーのフロントマスクは、現行ハスラーのデザインを踏襲。丸目を基調にしながらウインカーを一体型としたヘッドライトや、アンダーガードなども現行のコンセプトと変わりません。フロントグリル形状が台形から長方形に変わったのが見た目上での変更点です。

↑アウトドアライフへの提案も演出してました

 

新型ハスラーのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm、ホイールベースは2460mmとなります。対する現行型ハスラーは全長3395mm×全幅1475mm×全高1665mmなので、大きさはほとんど変わっていませんが、現行型のホイールベースは2425mmと、35mm長くなっています。サイドスタイルでは、フェンダーアーチを黒で統一する手法は現行ハスラーを踏襲していますが、Cピラーに新たに窓を設けたことで、現行とは大きくイメージが異なりました。

↑強く深みのあるボディ断面を表現したフードとサイドボディ

 

大きく変わったのは室内です。インパネのデザインではメーター/カーナビ・オーディオ/グローブボックスにそれぞれベゼルを設けたデザインになっています。インフォテイメント面では、スズキ初となる大きく見やすい9インチモニターを採用。進化した全方位モニターや、スマートフォンと連携したメモリーナビゲーションとなっています。

↑インパネとドアトリムには、車体色に対応した3色(バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイト)のカラーパネルから選べます

 

また多彩な収納スペースや、荷室側からスライド可能なリアシート、防汚性の高いラゲッジルームなど、遊びのギアとしての使い勝手も向上。

↑荷室側からも操作可能な「スライド用ストラップ」を後席背面に装備。荷室容量の調節が可能です

 

↑荷室下には防汚タイプラゲッジアンダーボックスを採用。ラゲッジボードを外せば、荷室高が拡大します

 

さらに衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」の夜間歩行者検知をはじめ、後退時ブレーキサポートを搭載しています。またターボモデルには全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能をスズキ軽初として採用しています。

 

新世代プラットフォーム&パワートレインから受けられる恩恵

ボディは、新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」。センターピラー、サイドドア、バックドアに「環状骨格構造」、ボディのスポット溶接部にスズキ初の「構造用接着剤」などを採用。軽量、高剛性を両立させるとともに、軽初(スズキ調べ)のこもり音&雨音を低減する「高減衰マスチックシーラー」、防音材や遮音材を最適に配置することで、静粛性を高めています。

↑ホイールベースを35mm延長することで後席乗員の足元空間を確保。前席は左右乗員距離を30mm拡大しています

 

新型ハスラーのパワートレインは、軽快な走りと低速域から中高速域で優れた実燃費を特徴とする新開発のガソリン自然吸気エンジン「R06D」と、ゆとりの走行性能と長距離移動の快適性を特徴とするガソリンターボエンジンのふたつを設定。それぞれ2WD/4WDが選べるほか、全車共通でCVTとマイルドハイブリッドシステムを搭載しました。ガソリンエンジンは最高出力49PS・最大トルク58Nm、ターボは最高出力64PS・最大トルク98Nmを発揮。また、変化する路面状況でも、ゆとりのある走りをサポートする新機能「スノーモード」を追加。雪道やアイスバーンでスムーズな発進をアシストします。

↑新開発のR06D型エンジンをNA車に搭載

 

↑新開発のCVTは、低中速域でのスムーズな走りと、高速域ではハイギヤード化により燃費性能と静粛性に貢献

 

ボディカラーはモノトーンを5色、ガンメタリック2トーンを3色、ホワイト2トーンを3色の全11色を設定。2トーンカラーは、ルーフ、ドアミラー、スチールホイール(「ハイブリッド G」「ハイブリッド Gターボ」)以外に、クロスカントリーモデルに見られる幌やハードトップから発想を得て、リヤクォーターガラス、バックガラス部分にもカラーアクセント(ガンメタリックまたはホワイト)を施した遊び心のあるボディカラーとなっています。

↑オフブルーメタリックカラー

 

新型ハスラーの価格(税込み)は、136万5100円〜174万6800円です。一見マイチェン?と感じた人も多いかと思いますが、新型は機能性やSUVらしさを強調する軽に主眼が置かれ、“タフ”で“力強い”ということを徹底的に追及していました。さらに「タフスタイル」や「ポップスタイル」、「ナチュラルスタイル」、「スタイリッシュスタイル」といった純正アクセサリーも充実しているので、カーライフをポップに演出したい、遊びたいユーザーにはオススメのビークルでしょう。

↑木目調のデカールが特徴の「ナチュラルスタイル」。ボディに合わせてインテリアもコーディネートできます

 

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